第四話 感謝の示し方

 秀國は清正に全て吐き出した日以降、学校を辞めた。それは全て、清正が仕組んだこととも知らずに、今ではすっかり清正が居ないと生活が出来なくなるほど依存している。

 秀國がベットの上で寝転がりながら動画を見ていると、玄関が開く音が聞こえた。

 秀國は飛び起き、玄関の方へ向かった。玄関を開けるとそこには、清正が居た。

「おかえり、清正」

「ただいま、秀國」

 清正はあれから、秀國と同棲をし始めた。

「秀國、ちゃんとお昼食べた?」

「食べたよ!美味しかった!」

 清正は制服を脱ぎながら秀國と話していた。週末金曜日ということで少し疲れている清正は、ぼんやりと晩御飯のメニューを考えながら秀國と話している。

「そういえば、清正に一つ聞きたいことあったんだけど、いい?」

「別にいいよ。どうしたの?」

「俺、なんで外に出ちゃダメなの?」

 清正は秀國を退学してからしばらく外に出していない。清正にとって秀國は琥珀に閉じ込めてしまいたいほど、大切なもの。ましてや、琥珀に閉じ込めたいと思う相手の心を傷つけてまで手に入れたのだ、清正にとっては外に出すのも憚られる。

「学校の知り合い、この近くに住んでるんだって。」

 清正の発言に秀國は少し体を強張らせた。

「秀國、外に出たらまたいじめられちゃうよ?」

 清正は、優しく相手を包み込むような声で秀國に話しかける。

「また殴られちゃうかもしれないよ?悪口だって言われるかも」

 清正はじわじわと秀國の心がすり減るような言葉を秀國にかける。

「でも、外に出なかったらそんなことにはならないよ。ね?」

 清正はそう言うと腕を広げた。秀國は清正の胸の中に飛び込んだ。清正の腕の中の秀國は震えている。

 この世で清正だけが知っている秀國の一面を見ているという優越感と、秀國を自分のものだけにできているという喜びで清正はまた笑みを浮かべた。

 二人が夕食を食べ終え、一段落をついていると

「清正、もう一ついい?」

 秀國が恥ずかしそうに清正に問いかける。

「どうした?」

 清正は笑顔だ。

「清正にはいっつも迷惑かけてるからさ、お礼に、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」

 秀國の言葉の最後は、清正には聞こえなかった。

「ごめん聞こえなかった。もう一回言って?」

 清正は申し訳無さそうな顔で聞き返した。聞き返された秀國は赤面しながら

「エッチなこと、する?」

 清正はそれを聞いた瞬間に秀國を担ぎ、寝室へ向かった。

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