第3話: 夢は受け継がれる

ダニエルはパークの中央に立ち、目の前に広がる景色を静かに見つめていた。


彼が人生をかけて築き上げたこの場所。


しかし、それを守り続けるのは、もう自分の役目ではない。


「これからは、お前たちの時代だな。」


彼の隣には夏樹がいた。


▶ 託した想い


「俺はもう、裏方に回るつもりだ。」


ダニエルは穏やかな口調で言った。


「表舞台に立つのは、お前たちの世代だ。」


夏樹は真剣な表情で頷いた。


「でも……まだ俺には足りないものが多すぎます。」


「誰だって最初はそうだ。俺だって、パークを作り始めた頃は何も分からなかった。」


ダニエルは遠くを見ながら微笑んだ。


「だが、一歩踏み出すことが大切なんだ。」


▶ 未来へのバトン


夜のパークに灯る無数の光。


それは、訪れる人々の夢を象徴しているようだった。


「お前がどんな形でこの場所を進化させるのか、楽しみにしているよ。」


夏樹は、スノーグローブを握りしめた。


「俺なりにやってみます。」


ダニエルは満足げに微笑み、ゆっくりと歩き出した。


「夢はな、託し、受け継がれながら進化していくものだ。」


夜空には、未来へと続く光が静かに輝いていた。

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