第2話: 託す未来

ダニエルの言葉に、夏樹は驚いた表情を浮かべた。


「俺に……託す?」


ダニエルはゆっくりと頷き、手すりに肘をつきながら語り始めた。


「俺はな、このパークを作ることに人生を捧げてきた。でも、それは“完成”させることじゃなかったんだ。」


夏樹は黙って聞いていた。


「夢ってのは、一人で終わるものじゃない。誰かが受け継ぎ、形を変えながら続いていくものなんだ。」


夏樹はその言葉を噛みしめるように頷く。


「……俺に、それができるでしょうか?」


「できるかどうかじゃない。やるかどうかだ。」


ダニエルの目はまっすぐに夏樹を見据えていた。


「お前は、どうする?」


夏樹は少しの間考え、そして決意を固めるようにゆっくりと頷いた。


「……俺なりに、やってみます。」


ダニエルは静かに微笑んだ。


「なら、それでいい。」


夜空には、パークを照らすホログラムの光が優しく輝いていた。

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