第3話: 自分の道を探す

レオは、フューチャースノーパークの中央広場に立っていた。


夜空にはホログラムの雪が静かに舞い、パークの明かりが幻想的に輝いている。


「確かめる、か……。」


父の言葉、夏樹の問いかけ。


それらが絡み合い、彼の胸の奥で何かが動き始めていた。


▶ もう一つの視点


パークの片隅で、レオはスタッフの様子を眺めていた。


運営に関わる者、演出を支える者、清掃を行う者。


「このパークは、誰か一人の夢でできているわけじゃないんだな……。」


そう呟くと、背後から聞き慣れた声がした。


「ようやく気づいたか?」


振り向くと、ダニエルが微笑んでいた。


「お前の父さんは、このパークを“完成させる”ことは考えていなかった。いつでも変化し続けることを望んでいたんだ。」


「……変化し続ける?」


「そうさ。お前がこの場所を継ぐなら、守るだけじゃなく、進化させなければならない。」


レオは静かに息を吐いた。


▶ 進化させる覚悟


翌日、レオは父のオフィスを訪れた。


「父さん。俺は、このパークを継ぐ。でも、ただ受け継ぐだけじゃなくて、俺のやり方で進化させたい。」


父は少し驚いた表情を見せたが、やがて微笑んだ。


「それでこそ、お前の道だ。」


レオの胸に、ようやく確かな覚悟が宿った。


「夢は、守るだけじゃなく、進化させるものだから。」


彼は新たな未来へと歩き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る