第14話
初秋、学内は文化祭の準備でそわそわし始める。
「唯子!学祭の実行委員、男子はオレやるから女子はお前な!」
部活を引退して、まだ受験には少しだけの余裕がある。
力を持て余し気味の三年生のその時のやる気は毎年目を見張る。
「えぇ!!あたしが智也の後始末するの!?嫌だ!!」
半ば強引に、唯子を誘った。
唯子はそう言ったが、お祭り男の智也としっかり者の唯子。
二人が実行委員となる事をクラスの誰も不思議には思わなかった。
智也は、単純に唯子との時間を増やしたかっただけだ。
話すきっかけを少しでも増やしたかっただけだ。
けれど、そう簡単にはいかなかった。
実行委員の仕事が思った以上に忙しかったからだ。
ただでさえ要領の悪い唯子に悪い事をしたと思った。
クラスメートが学祭の準備を楽し気にする傍ら、唯子は雑用をする。
準備をして、みんながやりやすいように整え、放置されたものを片付ける。
そう言う所に気が利いてしまう彼女は要領が悪い癖に自分で仕事を増やしていた。
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