第7話

「・・・何?」



「あの・・・」



「教科書忘れたの?」



「・・・うん」





広輝の声に情けなさそうに答える学級委員長。


やはり真面目な彼女にとって、そんなつまらない失敗も恥ずかしいのだろうか。





「・・・見る?」



「ありがとう。曜日、間違えてたみたい・・・」





しっかり者と言われる彼女がとんでもなくウッカリした発言に思わず笑いが込み上げた。





一気に彼女に興味が湧いた。






「雨宮さん。曜日は間違えないだろ?普通。」




笑って、思わず振り向いてそう声を掛けた。




「だって・・・休み明けだったから・・・」





そう言って恥らう様に言った彼女は美人なしっかり者ではなく、可愛い女の子だった。






「雨宮さん。真面目でしっかりしてると思いきや天然?」



「うるさいな。新田くん初めて話すのに失礼じゃない?」






怒る様に言った彼女の顔が、頭から離れなくなった。







多分、恋に落ちた瞬間があるとすれば、この瞬間―・・・。

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