第3話

俺は妻の背中に慌てて、尋ねる。



おいっ愛は?

愛は置いて行くんだよな?



「愛は私が実家に連れて行きます」



なんてことを言いやがるっ

このアバズレがっ

愛は、この俺に一番なついているんだぞ?



「明後日、保健所で愛は予防接種を受ける予定です。

あなたのようなひとにそう言う細やかで、適切なケアは出来ないでしょ」



妻は愛を抱き上げ、出て行った。




「ああ、出ていけよっ!!これで心置きなく昼酒がたのしめるぜっ!!」



俺は誰もいない玄関に毒づいた。

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