第2話

全く、朝酒でも飲まなければ、やってられない。



昨夜から飲み続けている。



家にあった買い置きの缶ビールは底を尽き、ついに外に買いに来るはめになったのだ。



妻に買って来るように命じると、金をくれと言いやがった。



このくそあま、金なら毎月、銀行の口座に入ってきてんだろうが



と怒鳴りつけると



「先月からあなたの無断欠勤と、会社の金の横領事件が原因で口座には1円の入金もありません」


「妻である私からの再三の助言も意見も聞き入れていただけないようですので」


「実家に帰らせていただきます」






妻は冷たくそう言い放った。



くそがっ



俺は路上にまた唾を吐いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る