スポーツ新聞の競艇欄

第4話

妻が出て行った後、俺はスーツに入っていた財布から、なけなしの万札を数枚取り出した。



これで全部だ。



どうする?



来月からは全く収入の見込みがない。





しばらく考えた。

万札の一枚をジャージのズボンを突っ込み、二日酔いの頭痛をこらえながら、外に出る。




妻のパート代を当てにしていたが、あの恩知らず女はさっさと出て行っちまった。



しかも俺の命より大切な愛を連れて行っちまった。

俺はアパートの階段の一番下の段に座りこんで、ガックリと肩を落とした。



くそがっ



俺はアパートの前の路上にまた唾を吐いた。



何はなくとも、まず酒だ。

とにかく近所のコンビニにでも買いに行こう。

俺は重い腰をあげた。

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