第3話

 長閑な郊外に結穂はいた。今はアパートの一室でピアノ教室をやっているらしい。


「行くよ、来蘭。」


「……うん。」


 インターホンがなって中から声がした。


「来蘭…………。」


 ボブだった髪はロングになり、緩く左に纏めている。


「結穂……久しぶり。」


「とりあえず入れば?」


「おじゃまします。」

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