『続 アブドラジル』 5


 『はあ? スナック金星か? 昔よく通ったな。』


 『あの店は、まだやってるよ。しかし、その金星ではなくて、どってんかいめい、の惑星の金星だ。』


 『あほらしい。まだ、探査機をおくるのに四苦八苦しているんだから、ありえないだろ。いくら、オカルト荒川でもな。』


 『ほう? 我々が送ったのではない。招待されたんだ。しかし、わたしは、連れ戻す方法をそこから逆に、すでに掴んだ。これから、参考データを送るから、よく見たまえ。そのための機械はもう製作に入った。うちのキューさんが進めている。ちなみに、そちらの魔女さんは、火星人の子孫だ。すでに、テクニックは失ったかもしれないが、訊いてみろよ。わたしは、次の再接近を狙っている。今回はすでに、手遅れだろうからな。秘書さんならば、可能かもしれないぞ。なら、その方がよい。ほんとに、手遅れになる可能性も高いだろう。いいかい? 息子さんの命ががかってるんだから、よく考えろよな。ビジネスとどっちが大切だ? じゃな。』


 『まて、キューさんてだれだ?』


 『あら、知らなかったのかい? どこで誰が作ったのかは、はっきりは分からないし、本人も口を割らないが、たぶん、古代火星人あたりが絡んでるんだろう。地球ではまだ作れない、オーバーテク・ロボットさんだ。アンドロイドというべきかな。』


 『そんなのがいるわけない。』


 『ははは、いいかい。気持ちは察する。正しい結論を出したまえ。』


 『あのな…………あ!』


 電話はぶっすりと切断された。


 『社長? ダイジョブですか。ミスター・アラカワは、なにを?』


 秘書さんが机に腰掛けながら囁くように尋ねた。


 『きみ、仕事中なんだから、そこに座るなよ。』


 『あら? 失礼。でも、ミスター・アラカワは、危険人物ですよ。』


 『わかってるさ。しかし、ジラや、ジセーのクーから地球を救ったことも事実だしな。』


 『たまたま、ですわ。あなたが気にすることではありません。』


 『む。あの、きみは、金星に行くことは、できるのか?』


 『はあ。なにを急に。ミスター・アラカワに、なにか吹き込まれましたわね。』


 『いや、ぼくは、君の正体は、うすうす知ってはいたんだ。君が発動する力は尋常ではないからな。』


 『フフフフフフフ😃💨』


 秘書さんは、社長に抱きついた。



         🍢









 

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