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「神様が見ている世界は、物凄く多種多様に存在しているのですよ。だから、私のような種族が繁栄している世界もあれば、カレンさんの故郷のような環境もあるのです」


「はー、なるほど」


 沢山のパラレルワールドがあって、沢山の世界がある。それぞれに繁栄している種族があって、私みたいなサルの進化系もいれば、他の生物が進化した人類も居るということなのだろう。それはわからなくもないけど……

 どういう進化をすると、タントスさんみたいなゆるキャラになるんだ?

 謎だ。そして、私もそっちの方がいいなぁ。


 ゆっくりと歩くタントスさんの、少し後ろについて歩く。

 私は今、今回の仕事の現場へと向かいながら、タントスさんの説明を受けていた。


「今回の仕事先は、カレンさんに似ているタイプの種族の世界みたいですね。まあ、見た目だけで文化も言葉も何もかも違いますので、自分の常識や知識が通用するとは思わない方がよいです」


 タントスさんは、スマホのような端末を手に説明を続ける。何でも仕事用の連絡端末で、私も見習い期間が終われば持たされるそうだ。


「わかりました。ところで、仕事は何をするのでしょうか?」


 そう、まだ肝心な事を聞けていない。


「今回は、とある職人の手伝いのようです」


 職人?

 眠りこける靴職人の代わりに靴を作れ、とでも言われるのだろうか。

 私が作るくらいなら、職人を叩き起こす役を担おう。その方がきっと早い。


「具体的に、何の手伝いを?」


「わからないのですよ。仕事によっては詳細な指示が出される場合もあるのですが、今回は殆どないので、現地に行ってから判断する必要がありそうです」


「そう、ですか……」


 うーん。何とも漠然としている。


「まあ、今回は簡単な仕事だと思いますです。何せ、能力の制約がかなり緩いです」


 私の表情を不安と捉えたのか、タントスさんがフォローを入れてくれる。

 というか、聞きなれない単語キタ。チートかな?


「能力の制約?」


「我々は神様の使いになりますので、神様から色々な力を貸していただける場合があるのです。仕事によっては何の力も借りられない場合もありますが、文明を滅ぼすくらいの力を借りて仕事をしたというワーカーも知っていますです」


 文明を!? チート過ぎると嫌悪されない?

 随分と物騒な話だと一瞬思うが、考えてみると確かに神様っぽいかも。ソドムとゴモラ的なお仕事とかね。

 ……やりたくない仕事だなぁ。


「制約が緩いってことは、今回もそんな感じなのですか?」


「いえ、今回はそこまでではないです。逆に制約として、現地の人間との関りを禁じられていますです。その為か、飛行能力。ワーカー同士の密談。壁抜けができる物質透過。そんな感じの能力が使えますです」


 想像もしていなかった能力に、咄嗟に反応してしまう。


「飛行! 飛べるんだ」


「飛べます。必要に応じて、あなたにも能力を付与しますです」


 凄い、私飛行機もまだ乗ったことないのに。

 おおおおお! ヤバイ、ちょっとテンション上がってきた。


「では、そろそろ到着しますです。気を引き締めて参りましょうです」


「はい!」


 気が付けば、目の前に扉がひとつあった。

 タントスさんがその扉を開けるのを見ながら、頑張ろうと決意を新たにする。

 この先には、どんな世界があるのだろうか。

 期待と恐怖が1対9くらいの割合で胸がいっぱいになる。

 ……いや、初めての場所って恐怖の方が強いでしょ? 前情報無いに等しいし。


 果たして、私は生きて生き返れるのだろうか?

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