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「転生JDと新たな秦王朝」、第4話(1) 秦瑛、亡秦の第二皇女

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 第4話(1) 秦瑛、亡秦の第二皇女
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阿房宮の秦瑛と盧氏瑛

 それはまだ昨年のことだった。紀元前206年、劉邦率いる漢軍が秦王朝の首都・咸陽を占領し、秦の皇帝・子嬰が降伏した直後のこと。韓信は、劉邦の命を受け、阿房宮の警護を任されていた。秦の始皇帝が築いた壮麗な宮殿は、漢軍の入城で混乱に包まれ、宮女たちの悲鳴が響いていた。漢兵の一部は略奪に走り、宮女たちに乱暴を働く者もいた。韓信は眉をひそめ、「これが漢の軍か!劉邦殿の名を汚すな!」と一喝。兵を統制し、宮女の保護を命じた。

 宮殿の奥、絹のカーテンが揺れる薄暗い部屋で、韓信は二人の娘を見つけた。一人は気品漂う16歳の少女、秦王朝の第二皇女・|秦瑛《しんえい》、もう一人は彼女に寄り添う小柄な侍女、|盧氏瑛《ろしえい》。

 |秦瑛《しんえい》は絹の|旗袍《チーパオ》(チャイナドレス)をまとい、黒髪を玉の簪で結い、恐怖に震えながらも気位高く漢兵を睨みつけていた。

 侍女の|盧氏瑛《ろしえい》が「貴様ら、秦の皇女に手を触れる気か!」と叫ぶ声は、幼さの中に烈しい情熱を秘めていた。|盧氏瑛《ろしえい》は主を守るように前に立ち、「皇女様に無礼を働くなら、この命をかけて止める!」と叫んだが、漢兵の荒々しい手に押し倒されそうになった。

 韓信は剣を抜き、漢兵を押し退けた。「退け!皇女とその侍女に手を出すな!」と怒鳴り、|秦瑛《しんえい》と|盧氏瑛《ろしえい》を腕に抱えた。

 |秦瑛《しんえい》は韓信の顔を見上げ、「そなた、名は?」と震える声で尋ねた。韓信は「漢の将、韓信だ。安心しろ、害は加えん」と答え、二人を混乱の中から連れ出した。|盧氏瑛《ろしえい》は「韓信様、皇女様をお救いくださり、感謝申し上げます」と涙ながらに頭を下げた。

 韓信は二人を蕭何のもとに連れていった。「蕭何殿、この娘たちは秦の皇女とその侍女だ。乱暴者から守り、保護してやってくれ」と頼んだ。蕭何は頷き、「秦の皇族とはいえ、幼い娘だ。漢の名誉にかけて守ろう」と約束。秦瑛は韓信をじっと見つめ、「そなたの名、忘れぬぞ」と囁いた。その瞳には、恐怖と感謝、そして何か熱いものが宿っていた。韓信は気づかぬふりで「無事で何よりだ」とだけ答え、軍務に戻った。

 萧何の保護を受けた萧何の保護を受けた秦瑛と盧氏瑛は、漢軍と共に巴蜀の地へ移された。劉邦は萧何の保護を受けた秦瑛と盧氏瑛は、漢軍と共に巴蜀の地へ移された。劉邦は秦瑛の美貌を聞き、彼女を後宮に迎え入れることを決めた。

 だが、劉邦の正妻・|呂雉《りょち》は、|秦瑛《しんえい》の絶世の美貌に嫉妬した。「あの娘は必ず劉邦をたぶらかす!」と警戒して、|秦瑛《しんえい》を漢王府の奥深い離れに隔離した。

 17歳になった|秦瑛《しんえい》は、絹の|旗袍《チーパオ》(チャイナドレス)に身を包み、気品と情熱を併せ持つ女性に成長した。|盧氏瑛《ろしえい》は忠実な侍女として仕え、読み書きや礼儀を教え、|秦瑛《しんえい》の孤高な心を支えた。

 |秦瑛《しんえい》は、韓信が自分を救った日のことを忘れなかった。夜ごと、木簡に小篆で詩を綴り、韓信への密かな恋心を吐露した。だが、皇女の身分ゆえ、恋心を公にすることはできず、|盧氏瑛《ろしえい》にだけ打ち明けた。

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