第6話 ウェ〜〜〜〜イ星人にも優しくね、え?社会人だから
奴らはこのコンビニによく沸く…現れるウェ〜〜〜〜イ星人ことヤンキー族達。大人数でコンビニの外でたむろしては飲み食いしたゴミを散らかしていったり灰皿の隙間に何故か使用済みの煙草のケースまで捩じ込んでいく不届き者達だ。勿論注意はできない怖いから。
まぁ仕方ない、見たところ通り雨だ。止めばこの虫達はまた太陽の光を求めて外へ飛び立っていくだろう。マイキーが何故てっぺんを取れていたかって?光が強いからだ。強い光を者は闇も深い。マイキー闇堕ちの原因はその強すぎる光が起因していると僕は予想する。
「あ、ありがとうございましたー!」
僕の予想は的中で、突然の土砂降り。店内は屋根を求めてきた人たちで溢れ返った。
「オイにーちゃん早くレジしろよぉウェ〜イ」
ウェ〜イ星人がいつの間にか列を成している。酒を片手に。おいそのズボンの下げ具合どうなってんだいっそのこと全部剥き出しにしてやろうか。
こいつら成人してるか?と疑問に思いながら、一応年齢確認をする。
「お客様、年齢を確認できる身分証はお持ちですか?」
「はぁあ!?何でそんなもん他人のテメェに見せなきゃなんねーんだよッ!ああああん!?」
出たぁああああ絶対未成年のパターンだぁあああ!相手を威圧して物事を押し通そうとするのはやましいことがあるからだ!理科さんがハムカツを揚げながら教えてくれた!ハクビシンが近付かれると異様に大きな声で威嚇するのは弱いからだって!ハクビシンとヤンキーは同じ生態系なんだって!ハクビシンの方が何億倍も可愛いけどな!?
未成年だなって思ったお客様には絶対にお酒煙草は売らないでね!店側の問題になっちゃうから!もしそれでも売ってくれっていうカス…ヤンキー様がきたらぶっとばして追い払うこと!
社会さんの言葉が頭に過る。敬ってるのか貶してるのかわからない。それはいい。僕にぶっ飛ばすなんてことはできるはずもない。争いごとは苦手中の苦手だ。
「店側としては年齢確認のできないお客様にお酒を売ることは禁止されておりまして…申し訳ありません」
「だーかーるぁあああ!成人してるっつってんだろ!見ろよこの筋肉!これが未成年の筋肉かよ!?」
ザブ○グルだ。野生のザブ○グルが現れた。やばい、引き下がってくれない。
「あのぉお会計早くしてもらえる!?」
「後ろ詰まってるんだけどぉ!?」
「何でレジ一個しか空いてねーのぉ?」
レジも長蛇の列になってきてしまった。まずい。ドリンクコーナーまで行ってしまっている、コミケ会場近くのコンビニか。言ってる場合じゃない。
そうだ!国語さん!国語さんがトイレから戻ってきてないことも要因の一つ!
僕は呼び出しブザーを連続で押しまくる。リズムも刻んでやる。
全然来ない!どんだけう◯こ長いんだよあの社不がぁああああ!
「あの、お客様それでは後ろも詰まってますので一旦横に避けていただいて…」
「ふざけんな俺はテメェがレジ通すまでここ動かねーからなぁ!」
はぁ、もうやだ。帰りたい。仕事辞めたい。
「いいからッ早くやれよ!先輩たちに頼まれっ…用事があんだよ!」
よく考えたら集団で入店してきたヤンキーで一番若そうな彼だけがレジに並んでいる。他の取り巻きは遠くでニヤニヤと見ている。そうか、試されてるのかこいつ。
でも、そう言おうとした時、ヤンキーがハクビシン顔負けの威嚇で体を大きく動かし始める。やんのかおぉ?という言葉の下位互換だ。
「あっ、ちょ、危ない!危ないですって!わかりましたレジ通しますから!」
僕は咄嗟にバーコードを読み込ませてしまった。
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