第6話
伝えてって言われてもなぁ。
••どうしよう。勝手に部屋に入っていいの?
あたしだったら寝てるのに部屋に入ってこられるの嫌だ。
でも、奏弥様から言われちゃったし。
数分考えた挙句、仕方ない。と心を決め部屋まで進み音を立てずにそーっと扉を開ける。
何もない部屋の端っこにひとつだけ布団が敷いてあり、その布団が少し膨れているのに気付いて忍足で近付く。
布団の横に立ち、その場で座り込み寝ている哉希を見下ろす。
無防備な寝顔をいつまでも眺めていたい気もするけど、それじゃきっと奏弥に怒られる。
よし!と心を鬼にして哉希の体に手を伸ばし、とりあえず最初は優しく叩く。
「哉希、起きて。」
「••••ん、••。」
••••待ってやばい。ん、だって。
なにそれ、可愛すぎるんだけど。
ギャップ萌えってやつ?
頬が緩むのが自分でわかる。
だってこんなの、いつもと違いすぎてなんか、なんかあれじゃん!!
慌てて緩む頬に力を入れ、もう一度声をかけようと手を伸ばす、と。
「っわ、」
その手を絡め取られ、布団の中に引き摺り込まれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます