第7話

状況についていけず、回らない頭を必死に回しながらもがく。



「ちょ、っと、」



「ん、•••うるせ、」



精一杯の反論も効き目がなく、もがく足を哉希の足で封じられ、手も閉じ込められて抵抗できなくなり。



抱き枕状態に全身の熱が一気に上がる。




「か、かな、き、っ、」



あたしの声に応えるように抱きしめる力を強め、心臓が煩く音を立て。




も、やばい、


こんなの、こんなの、•••むりっ、!



寝息が首にかかる距離に、どんどんと体が火照り出す。



「はな、して、っおねが、い!」



胸板を手で押そうとしても、緊張で指先が震えうまく力が入らない。




哉希は、あたしの首筋に顔を埋めて、



「•••だまって、」



甘い甘い声で、誘うように囁いた。



その声に、首筋にかかる息に、反応するように体が疼いてくる。




ど、どうしたらいいの、


こんな空気、こんな哉希、もう、耐えられない。




まともな声も出なくて、固まり動けないあたしに哉希は、それを了承ととったのか、



「っ、」



背中に回していた手を服の中に入れてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る