第6話

部活、行きたくないなっ。


帰っちゃおうかなっ。


なんて考えていたら、後ろから声がした。


「土橋さん、何サボってんの?もうとっくに練習始まってるよ」


振り向くと、ウェア姿のあいつがいた。


どうやら忘れ物を取りに戻ってきたらしい。


「ああっ、わかってるんだけど・・・」


わかってるけど、練習といっても玉拾いに、素振りに、ランニングで全然テニスらしいことなんてやらせてもらえないし、大体テニスがそんなに好きなわけでもない。


そんなんだから行く気になれないんだよ。


心の声に納得した私は、あっさりと部活をサボることを決断。


「今日は帰るからさっ、中島 美紀にそう伝えてくれる?」


「まあいいけどっ。ちゃんと練習出ないと、後々先輩に絞られるよ」


「うん、そうだね。忠告ありがとう。じゃね」


それ以上話すこともないし、居ても責められそうだから、逃げるようにさっさと教室を後にした。

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