第4話

キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン


あれこれ考え事している間に、数学の授業も終わってしまった。


この授業が最終だから、この後は掃除当番でもないし、部活に行くだけ。


なんて考えていたら、美紀が私のところにやって来た。


そう私の親友、中島 美紀。


とにかく元気な彼女は、私とは違って何でもプラス志向に物事を考えられる人。


行動力もあって、私や周りの人間をぐいぐいと引っ張ってくれる。


身長163センチの私より、3センチ低い160センチの彼女だけれど、その存在感からか私よりも大きく見える。


だからと言って、決して太っているわけではない。


痩せ気味の私と並んでも、それ程変わりはなく、2人でいると周りからは姉妹、いや、双子みたいと言われたりもする。


「里佳子、早く部活行こうよ」


相変わらず、気が早いなぁ。


そんな美紀の気合が、プレッシャーだったりもする。


「うぅ~ん、ちょっとやることあるから先行ってて。ごめん」


「ええぇ、やることって何?サボリの口実?」


鋭い観察力、しっかりと見抜かれている。


「と~に~か~く~、後から行くからさっ」


「はいはい、じゃね」


美紀は軽い足取りで教室を後にした。

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