第50話月下の虎と若き孤狼。

「「申し、御免仕る!」」

「ハイハ~イお待ちを~。」

野太い2重奏の呼び掛けに軽薄な声で返答し、ひょいと玄関口に出る信吉。


玄関に出ると正面には利家が立っていて、利家の後ろにはかみしも姿のピシッとした格好をした、2mは有ろうかと思う程の大男で20代中程の青年と、すぐ横には後ろの大男程ではないが、頭1つ分ぐらい低い背をした偉丈夫な男が、裾を絞った旅行用の狩袴かりばかまに鎧櫃を背負い、鞘に納めた槍を持った10前半ぐらいの少年の合計3人がいた。


「おお・・・こりゃ又偉丈夫な人達で。

え~と前田様、この2人を紹介して頂けるのですかね?」

「あ、いや、オレが紹介するのは後ろの奴だけで、横の奴は偶々バッタリ入り口で出くわしただけで、オレとは無関係だぞ。」

バタバタと手を左右に振る。


「へ?じゃあお宅はどちらさん?」

「はっ!やつがれは美濃は可児郡の浪人、可児才蔵吉長と申す者にござる!

見知り置きくだされ!」

快活な声でハキハキと答えた可児才蔵(仮)。


(いや確かに図体はデカいけどさ、ど~みても顔付きは、俺と変わらんぐらいの歳にしか見えないんだけど?)

ゴッツいオッサンを想像していたのに反して、自分と同年代っぽい豪傑に驚く信吉。


「可児才蔵って言ったら、大和やまと国(奈良県)の宝蔵院ほうぞういん流槍術の使い手の?」

「お!?やつがれが修めた流派まで存じ寄りとは、中々の博識ですなぁアンタさん!」

ドンドンとメッキが剥がれるが如く言葉遣いが崩れていき、同年齢くらいの気安さも手伝ったのか、馴れ馴れしくなっていく才蔵。


「いや言うか君って幾つ?」

「え?え~と、ひのふのみの・・・14ぐらいかな多分?」

「まさかの1つ下!?」

早熟にも程があんだろとオッサン坊やというべきか、才蔵に二度ビックリした信吉。


聞けば2年前(小学校高学年!?)から、知り合いの土豪に陣借り(スポット参戦)して戦場に繰り出し、幾つかの兜首かぶとくび(名のある武士の首)を取った事で、正式に美濃国主だった斎藤家に召し抱えられたとの事。


(おいおいおい、ガチの豪傑やんかコイツ!

俺よりもよっぽどコイツの方がやべーだろ)

ぶっ飛んだ話に唖然としていると、


「うん?ちょい待て才蔵。

お前、何の用で此処に?」

疑問符を浮かべて才蔵に尋ねた。


「無論、木下殿の許に仕官しに参った!

木下殿の伊勢での豪儀に感動し、居ても立ってもおられず馳せ参じ申した次第!」

胸を張って答える才蔵。


「待て待て待て、ちょっと本当に待て。

お前は確か柴田のオヤジ様の許で、家臣として家禄をんでいた筈だろうが。

何時の間に浪人になったんだよ?」

訝しげな表情で利家が才蔵を問い質した。


「つい先程致仕ちし(退職)し申した。」

「ついさっき!?おいおいおい才蔵お前!

オヤジ様の許を辞してから、即座に信吉の許に走る事なんぞしたら、信吉がお前を引き抜いたとオヤジ様側が勘違いして、下手すると信吉とオヤジ様の諍いの元になるぞ!?

何考えてんだよお前は!?」

才蔵の非常識な行動を非難する。


現代でも特に工業系の職種はそうだが、元の勤め先を退職した時に、別の他業種にすぐ再就職するのはそうでもないが、同業他社に即再就職するのは「仁義外れ」と非難され、再就職先の同業他社も「引き抜き」をしたと勘違いされ、周囲の同業者からの非難やトラブルになるのを怖れて、基本的にはまず採用する事はなく、同業他社に再就職する時は、大体約1ヶ月の「冷却期間」を置いて、再就職するのが常識である。


この時代の再就職事情もそれに近く、他業種=他国・他大名の家臣の許へすぐ再就職するのなら兎も角、同業他社=同じ大名家に仕える別の家臣の許に即再就職するのは、「節操が無い」と当事者が非難される上、退職元の家と受け入れ先の家が揉めて、普通に戦争になる事もあった。


実際に明智光秀の腹心というよりも、徳川将軍家3代将軍・徳川家光の乳母・春日局かすがのつぼねの父として有名な斎藤利三としみつは、元々嫁の父で義父に当たる稲葉良通いなばよしみち(一鉄いってつ)に仕えていたが、諍いを起こして義父・一鉄の許を去り、すぐさま旧知だった光秀に仕官したが、それを知った一鉄が「つら当て(当てつけ)をされた」と激怒。


利三の処遇と不義理の処罰を巡って、一鉄と光秀が大いに揉めに揉め、最終的にはノッブが仲裁に入り、不義理を承知で受け入れた光秀を、ノッブ自らが叱責と打擲殴打する事で一連の問題の禊ぎケジメとし、漸く収まった程の騒動に発展した実例があったりする。


そうした事例を信吉と勝家との間で引き起こしかねない、才蔵の軽率な行動に利家が非難の声を上げるのは、至極当然の事であった。


「えっ?そうなんか?

でもオイラ、斎藤家から柴田家に即鞍替えしても、何も問題非難なかったけど?」

「あのなぁ才蔵、元々斎藤家は織田家とは他家他業種だし、そもそも斎藤家自体が滅亡倒産しているんだから、端から揉める先が無くなっているだろうが?

同家同業家臣他社の間で仕官する今回のとは、根本的に状況が違うだろう?」

状況を理解せず首を傾げる才蔵に、額に手を当ててため息混じりに告げる利家。


「兎にも角にも小吉、此奴才蔵を今すぐ登用するのは止めとけ、碌な事にならんから。

・・・まぁ、ほとぼりが冷めてからも、登用は勧めないがな。」

「おい、何でだよオッサン!?」

苦言めいた発言に食ってかかる才蔵。


一悶着起きそうな雰囲気を「まぁまぁ2人共落ち着いて」と宥め、「立ち話も何ですからとりあえず中へ」と勧めた後、


「それで前田様、才蔵殿を勧めない理由とは一体何なんですか?

基本他人の悪口を言わない前田様が、はっきりと言うのは珍しいですね?」

お茶(この時代では高級品)を各自に振る舞い、ホッと一息付いたのを見計らって改めて尋ねた。


「まぁ他人様の事を悪し様に言いたい訳じゃ無いんだが此奴こいつ、戦場での「抜け駆けスタンドプレー(独断専行)」の常習者で有名なんだよ。

軍令指揮官命令も下ってないのに物見ものみ(偵察)と称して、勝手に敵陣に向かって行って敵を討ち取るといった、有る意味で「指揮官泣かせ」の問題児だからな。」

我関せずとお茶をすすっている才蔵を指差し、半眼で観つつ告げる。


「指揮官泣かせ、ですか?」

「ああ、基本的に何処の家中でも抜け駆けはご法度はっと(禁止)で、普通は破れば処罰を受けるモノなんだが、オヤジ様曰わく、コイツの場合はちょくちょく抜け駆けで兜首を挙げるモンだから、抜け駆けの罪過ざいかと兜首を取る功績がどっこいどっこいの、功罪相半こうざいあいなかばになる事が多く、処罰したくてもしにくい状況を作るので、頭を抱えていたらしいからな。」

「いやはや、ど~も照れるぜ。」

「これっぽっちも褒めてないぞ?」

反省する気がゼロな才蔵に突っ込む利家。


近代から現代の軍隊だと抜け駆けは、「軍の和チームワークを乱して勝手に行動する逸脱問題行為」として、軍法会議に掛けられて処罰されるが、近代以前の軍隊は「結果良ければ全て良し」という、グレーゾーン曖昧模糊と云うか超法規的緊急判断と云うか、軍法ののりを越えた行為に関して寛容な所があった。


まぁ、曲がりなりにも者を賞さないと、器量を疑われて将士が付いて来ない上、部隊の士気まで下がるという、切実な理由があるのだが。


それはさておき、


(ふ~む・・・ちゃんとした実力と実績は有るけど、性格や行動に問題のある奴かぁ。

典型的な我の強い職人気質タイプって所か)

前世の職場に居た実力はピカ1だが、狷介けんかい(自分の意志を曲げず、妥協や馴れ合いを嫌う)な年配の職人を思い浮かべる。


「う~ん、とりあえず才蔵殿の登用は保留って事で。」

「ええっ?」

「流石に判ってて仁義外れをするのはまずいし、登用するならするで登用前に柴田様に挨拶を通しておかないと、それこそ前田様の懸念通り諍いになるから。

登用する前とした後では挨拶をしても、相手の受け止め方が天と地ぐらいの差で、ガラッと変わっちゃうし。」

前世の身近な体験談を元に判断する信吉。


「とりあえず貴殿を登用する方針だけど、必要最低限の筋は通して、有らぬ誤解を招く事は避けたいから。」

「確かにまぁそう言われると・・・ご迷惑をお掛け申した。

何卒良しなにお頼み申す。」

ぺこりと頭を下げて了承する才蔵。


「さて、ではそろそろ前田様、後ろの御仁を紹介して頂けますか?」

「おう、漸くって所だな!」

信吉の言に快活に答えて横に逸れ、


「此奴は上兄かみにいじゃなかった長兄・利久兄貴の妻の甥で、下兄しもにい・・・三兄・安勝やすかつ兄貴の娘で長兄の養女となった姪を娶って、利久兄貴の婿養子となった俺にとっては義理の甥に当たる、慶次郎利益って名の奴だ。」

今まで沈黙を保っていた義甥を紹介する。


「義叔父御から紹介に預かった、義甥の前田慶次郎利益と申します・・・どうか宜しくお願い致しまする。」

体躯に似つかわしくない沈鬱ちんうつな声音と表情で、信吉に平伏した慶次。


(ええ~っウッソ!?この陰気な兄ちゃんが、あの天下の傾奇者の前田慶次~?)

全くの別ベクトルで驚いて、


「あの~利家様?

もしかしてこの方、甥御さんの影武者とかそっくりさんだったりします?」

思わず素姓確認をしてしまうゲス。


「はい!?何で紹介するのにわざわざ影武者だの、そっくりさんを連れてくるんだよ!?

そもそもこんなデカい図体をした奴なぞ、早々にいる訳ないだろ!?

何言っているんだお前は?」

「いや~何というかその~・・・想像してたのとこうまるっきり違うと言うか・・・。」

モゴモゴと言い淀む。


「想像と違うってお前・・・因みに慶次をどんな奴だと思ってたんだよ?」

「ド派手な衣装に女と酒に目がなく、太々ふてぶてしい態度の傾奇者DQN。」

前世でのイメージをスラスラ述べた。


「はい?慶次が傾奇者?アホかお前は!?

先代の上兄が殿に反目した時以来、ウチ前田家は殿に睨まれてにあったのに、そんな悪目立ちする様な振る舞いなぞ、跡取りだった慶次がする筈ないだろうが!」

憤慨して怒鳴る利家。


聞けば利家の実家・荒子あらこ前田家は、古くからノッブの家に仕える古参の家柄であったが、先代の利久がノッブの奇行に愛想を尽かし、ノッブの弟・信勝擁立に林秀貞と共に協調して加担。


そうしてノッブと敵対して戦った結果、利久はノッブに敗れて降伏。


ノッブからは所領を安堵をされるものの、ノッブの心中に「裏切り者」のレッテルを貼られて睨まれ、かなり冷遇されていた模様。


そんな薄氷の上を歩くが如く、一歩行動を誤れば水の底にドボン改易=所領没収となる状況下で、氷の上で盆踊りタップダンスをするが如く愚行を、次期後継者だった慶次がする筈もなかったのである。


「う~ん成る程。

そんな状況下で傾くのは、アホの所行ですねぇ確かに。」

(つー事は今の慶次は、グレて傾く前の「ピュア慶次」なんか)

傾奇者になる前の、かなりレアな状態の慶次をマジマジと見つめる。


「そういう事だ。

元々上兄が滝川家から嫁(滝川一益の従兄弟で慶次の実父・益氏ますうじの妹)を娶ったり、慶次を婿養子に迎え入れたのだって、勝三池田恒興のお袋さんで殿に強い影響力を持つ、養徳院様(一益の伯母)との繋がりを遠回しに得て、お家の安泰を図った結果だしな。」

前田家の内部事情を話す。


「そうしてせっせと上兄は家の安泰に励み、中兄次兄と俺を分家独立させて別家を立てさせ、要らぬ(家督)騒動が起きない様にし、下兄が慶次の義父兼後見人として、慶次を支えるといった体制を作った後、上兄は殿に隠居願いを出して慶次に当主を譲る気だったんだが・・・ハァァ。」

深々とため息を吐き、


「殿は俺に家を継がせよと、突如として上兄に告げた訳だ。」

自身を指差して肩を落とした。


「晴れて本家当主になったのに、全然嬉しそうじゃないッスね利家様?」

うなだれる利家に首を傾げる。


「あのな、こちとら分家独立してバタバタが落ち着いた所に、いきなり青天の霹靂を食らったんだぞ?

お陰でウチは上兄の後継の段取りが、全てご破算になって上へ下への大騒ぎ。

挙げ句に上兄の嫁の義姉や下兄からは、「お前が殿に取り入って、家督を奪ったんだろう!?」と、恨み節まで言われる始末。

トドメにウチの重臣の半分近くが、殿の裁定に反発して出奔無断退職するオマケ付き。

そんな家内がしっちゃかめっちゃかの状態で、家督を継いで嬉しいと思うか?」

据わった目で信吉を見つめた。


「それはキツいッスね~。

それなら大殿様に抗議すれば良いのでは?」

「出来るんだったらとっくにやってるよ。

それが家や俺の立場上、出来ないから今の状態になっているんだよ小吉。」

再び嘆息して肩を落とした。


利家曰わく荒子前田家自体が、信勝謀反に加担した事でワンアウト、利家自身が同僚を斬り殺して、出奔した事件の事でツーアウトになっているらしく、そんな心証が悪い状態でノッブに抗議をすれば、確実に怒りを買って良くても改易、悪ければ処断のゲームセットになる模様。


「だからこそ上兄も、お家存続を第一に考えて俺に家督を譲り、居座って家内が割れるお家騒動にならない様、慶次と共に家を出る事になったんだが・・・。」

「・・・が?」

「現状、慶次にはマトモに行く所就職先が無い。」

昏く沈んだ義甥を気遣わし気に見る。


「殿に睨まれていて、元世子せし(後継ぎ)という厄介な事情だから、織田家臣家ではまず召し抱えられん。」

「他国は?」

「近隣諸国は一歩間違えれば、織田家の敵になる可能性がある故、ウチや慶次の生家・滝川家に累が及ぶ危険性が有るから、特に滝川家は追っ手暗殺者を慶次達に出しかねん。」

「へっ?追っ手を差し向ける?」

意外なワードに驚く信吉。


「ああ、滝川家は養徳院様との繋がりで、織田家に仕官した新興の家。

同じ新興でも勝三恒興程の深い繋がりが無いから、家の瑕疵かし(不名誉)に繋がる事柄を避ける為に、躊躇ためらいはないだろうしな。

かと言って遠国は慶次を慕って付いていく、家臣達や上兄をぞろぞろ引き連れていくのは、ちょっと非現実的だし。」

三度溜め息を漏らし、


「一応最悪だが、生家の滝川家に戻る事も出来るが、滝川家に戻れば慶次は前田家の元世子ではなく、昔の俺と同じ庶子の扱いになるから、手柄は実家親兄弟に奪われ戦場で便利使いされる、先の無い未来しかなくなってしまうしなぁ。」

八方塞がりな慶次の状況を語った。


(成る程ねぇ、そういった悲惨な人生を歩んだ結果、グレて傾奇者になった訳か)

慶次がはっちゃけた経緯を知り、さもありなんと同情する。


「成る程、それでウチにって事ですか。」

「ああ、此奴は世子として教育をしっかり受けて事務もこなせるし、指揮官として荒子衆を率いていた実績もある。

人材の居ないお前の家に、うってつけの人物と思ってな・・・どうだろうか?」

「確かに私にとっては渡りに船ですね。」

緊張した面持ちの利家と慶次に、こくりと頷いて微笑む。


秀吉にとっての蜂須賀小六の如く、軍政の教導役が降って湧いて来た事に、「スーパーラッキー!」と内心で喜ぶ信吉。


「か、かたじけなく!・・・誠に忝く!」

「そ、それで小吉?慶次の待遇は?」

「はいはい、ちょっと待っててくださいよ。」

そう言って中座して戻って来ると、


「はい、これが慶次殿の待遇です。」

一通の書状と細長い布を慶次に渡した。


慶次は渡された書状を訝しげに開くと、


「・・・こ、これは!?

信長公から貴方様に宛てられた、2百貫の知行宛行ちぎょうあてがい(家禄支給証明)の書状では有りませぬか!?」

超重要書類の内容に目を見開いた。


「つ、つまりは小吉クン?

小吉クンは慶次を殿から拝領した、家禄全てで召し抱えるって事かな?」

若干おかしな震え声で、カクカクとぎこちない動きをしつつ、信吉に尋ねる利家。


「ええ、そうですけど?

立場は私の筆頭家臣でどうです?」

「「「へええぇぇぇ!?」」」

余りにもぶっ飛んだ慶次の処遇に、顎が外れんばかりに叫声きょうせいを上げる3人。


「この布は!?」

「あっ、それは殿秀吉から識別用の隊旗(旗印)を貰ったんで、慶次殿の好きにどうぞって事ですけど一応、前田家の家紋を使っても良いですかね利家様?」

「そ、そりゃ無論構わんが!?

其処まで破格の待遇で慶次を・・・。」

「うぉぁああぁぁ!・・・有り難くぅ!!」

空前絶後の破格な扱いに、涙を浮かべる利家と大声でむせび泣く慶次。


色々なしがらみに囲まれ暗い檻の中で、生涯を過ごす道しかなかった慶次にとって、信吉の待遇は天の救いに等しく、大泣きするのも無理からぬ事であった。


「いや、あのよ、感動的な所に水を差す様で悪いんだけどさ、オイラの待遇は旦那?」

オレを忘れて無いかと自分を指差す才蔵。


「あ~君は筋を通した後に客将待遇で、年50貫(約5百万)の現金支給とコレあげる。」

鴨居かもいの下に設置している、槍掛けから朱槍を取って才蔵に渡した。


「朱槍を呉れんのか!?・・・けどオイラが持つのはマズくないか?」

「君の名目上の立場は、私の槍持ちって事にするから大丈夫。

もし敵が襲って来たら、持っている朱槍で応戦するしかない訳だし。」

しれっと問題の抜け道を提示する。


「成る程、そりゃそうだ。」

「それに今は預けるけど、戦働きで自分のモノにする実力は有るだろ?」

「フッ・・・カッカッカ!言うねぇ旦那!

乗った!そんじゃ厄介になるぜ宜しく!」

信吉の挑発じみた発言に大笑した後、平伏して承諾する。


こうして信吉は、虎と狼と云うべき2人の配下猛将を得る事となったのであった。


因みにあっさり朱槍を才蔵に渡したのは、持っていると真っ先に命を狙われるのを知り、「竜の冒険ゲームに登場する、持ってるだけで敵との遭遇エンカウント率が爆上がりする、「ゴールデンクロー」と同等の呪物じゃねーか!」と、一刻も朱槍を早く手放したかったので、才蔵に押し付けたドゲスなのであった。


                 続く

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