第16話 国民の安全を保護するためのデジタルインフラを効率的に運用するための法律

政府はデジタルインフラによるクリアランス制度を閣議決定し、国民に共通のアプリケーションのインストールを強制した。これに従わない場合罰金刑に加え、懲役を視野に入れた懲罰が実施されることになるとされた。

位置情報の一括管理、資金移動の監視が志向され政府が持つ警察力や自衛力に加えることで現状を悪化させないようなシナジーが期待された。

しかし検挙人員が去年の4倍近くになっていることから法律を実行するための実働部隊が足りていない。臨時に警察の実働部隊を雇うべく政府は警察力の強化のための人員徴用法を成立させた。

それで警察の人員は2.5倍くらいになった。アプリケーションの強制インストールはだいたいの目処が立ち始めていた。

しかし公権力を即席で与え始めた結果、公権力を餌に市民に対して強要をするものがちらほら現れ始めた。警察内部で問題視されたが、現状に対する対応で手一杯のなかで黙認する現場指揮官が報告しないケースもあり放置されることになった。

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