第15話 移民三世のアラブ系男性

親から数えて3代目。私はアラブと日本人のハーフだ。もちろん日本語を話せる。しかし周囲の私を見る目が変わりつつあるように見える。

爺さんの頃は移民に対して厳しい意見を言う人が多数派だったが、世代が下るにつれて受容が進んでいた。

ここは浦和市。前はクルド系の奴らが暴れていたところだ。でも強制送還がちゃんと実施されるようになってからはちゃんとした移民の交流の場になっている。いやなっていた。

移民に嫌悪を示す団体が移民に暴力沙汰をしてから殺伐としている。自分のみを守るために特殊警棒を持ち歩くやつが出始めている。アラーも大事だが、日本の神も大事だ。どちらも隣人との調和を説くのに今のような状況は悲しい。

爺さんが近いうちに自警団を作るために周りの移民の連中を集めて会議をするようだ。警察は呼んでも来ないし仕方ないのか。

日本から出るのもありかもしれない。

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