ハルがやっと「うん」といって付き合うことになったのは

もうその年の夏も終わろうとしている頃だった


みんな美大を目指して、高校だって美術課に通っている子ばかりの中に突然現れたぼくは、見るからに異質だったし目立っていたし学校も違うし


おまけに


年下なんだから




でもぼくらはわかっていた


いくらハルが拒もうと避けようと

いつかこんな風にぼくらの恋は始まっているってこと


押さえきれない衝動に 抗うことはできなかったってこと



初めて手をつないで歩いた日

ハルはずっと恥ずかしそうに下をうつむいていた


初めて抱きあった日

ぼくの心臓の音はスピーカーで鳴り響いているように感じた

わたしの心臓の音だけが聞こえてしまうような気がした



初めてキスを交わした日

キミの瞳はやさしかった

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