「ブーッ ブーッ ブーッ…」



サイレントモードにして枕の下に押し込んであったスマホのアラームが震えた

すぐに止めて耳を澄まして静けさを確かめる



結局あの後妹が呼びにきたから、夕飯を食べてお風呂に入って髪を乾かして

部屋でまたすぐ出かけらる服に着替える頃には階下でパパもママも妹もとっくに眠りについていた



それからもう一度ベッドに入ったから

一時間半は眠った事になる


前までは気にしたこともなかった踏むとキシむ音がする階段の場所を避けて


そーっと そーっと 階下へ降りる


階段はそのまま玄関に続いているから、あとは音をたてずに玄関の外に出て閉めるだけ


この瞬間が一番緊張する


カチャッ 


それでも微かに鍵が閉まる金属音が静かな夜の闇に響く

鍵は開けたまま



お願い、神様!


パパとママにはどうか秘密にして





その日キミは約束の時間を過ぎてもなかなかアパートに帰ってこなかった


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る