第2話

宮下先生のアパートの部屋に入ると机に本が積み重なっていてベランダには観葉植物が置いてあった。宮下先生はテーブルにコンビニで買ったものを置くとベランダに行ってタバコを吸い始めた。天音もベランダに行った。

 「先生、タバコ頂戴」

 「今日はないのか?」

 「お父さんからくすねるの忘れた」

 「そうか。じゃあ、今日は我慢しなさい」

 宮下先生は何事もなかったかのようにタバコを吸い始めて天音は宮下先生の副流煙を吸っていた。

 タバコを吸い終えてテーブルで宮下先生はビールとつまみを食べ始めて天音は宮下先生からチョコレートとお茶を出してもらい食べていた。

 「先生、いつも酒飲むの?」

 「いや、たまに。次の日が休みときは飲むかな」

 「私も酒飲みたいな」

 「20歳になってからな」

 宮下先生は天音に諭しながらビールを飲んでいた。天音は宮下先生の隣に来て座った。宮下先生は酔った頭で天音を見ていた。天音は宮下先生に近づきタバコと酒の匂いの唇にキスをした。天音は唇を離すと宮下先生は立ち上がってベランダに行きタバコをふかした。

 「天音さん、遅くなるから帰りなさい」

 天音は宮下先生の後ろ姿を見ながら近くにいるはずなのに取り残された気持ちになった。宮下先生の部屋でしばらく無言だった。


宮下先生のアパートに行くのがこれが最後だった。アパートに行ってからお互い変わらずに校舎裏でタバコを吸い、アパートでしたキスのことは何も触れなかった。そのまま3年が過ぎて天音は卒業した。卒業式のあと校舎裏でタバコを吸っても宮下先生は現れなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る