4、憧れてたこと
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数日、関君とお昼を食べるようになって知ったことがある。
「関君って、アホだよね」
「なんだ、藪から棒に。なにか不満でもあるのか?君の望み通り、昼休み以外の接触は最小限に留めるようにしているというのに」
唇を真一文字に結んで分かりやすく不機嫌になった関君は、お弁当を食べる箸を止めて私を見た。
「だって、そうしないとずっとくっついて来ていたじゃない。私がトイレに行くときでさえついて来ようとしていたし……」
そうなのだ。関君は頭がいいくせに、おバカなのだ。
初めてこの多目的教室でお昼を食べた日の午後。
授業の合間の休憩時間に行ったトイレにも監視のためについて来ようとしていた。
さすがに思春期の女子として、それは恥ずかしかった私は関君にお願いをした。
昼休み以外の時間はガン見しているのはもちろん、ついて来るのも、話しかけるのも必要最低限にしてほしいって。
その代り、お昼は一緒に食べるし、その時になら何でも聞いてくれていいからと。
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