「悪かった。認識を少しだけ改める」

大声で訂正した私に悪いと思ったのか、関君はちょっとだけ目を泳がせて謝った。

関君の手元にあるお弁当は、大きめな黒いお弁当箱に入っていて、一つには白米だけでもう一つに色々なおかずが入っている。

バツ悪そうにした関君は、おかずの方のお弁当箱を私の方に差し出し、小さく呟いた。

「詫びに何か好きなものをやろう」

「え、いいよ。私もちゃんとお弁当あるし」

「俺の弁当を見ていたようだから欲しいのかと思ったが。違うならいい」

関君は自分のお弁当を手元に戻すと、そのまま弁当を食べ始めた。

私もご飯を食べるために、お弁当箱を覗き込む。

見慣れた自分の楕円形のお弁当箱には、半分ご飯が、半分に数品のおかずが詰められている。

私はその中の唐揚げをつまみ上げて頬張った。

うん、美味しい。

その美味しさに勝手に口角が持ち上がる。

「……なんだ、その。ちなみに、なんだが」

言いにくそうに関君が、私のお弁当箱と私の顔を見比べた。

どうしたんだろう？

私は首を傾げながら、口の中の唐揚げを飲み込んだ。

「その唐揚げの肉はカエルやヘビではないよな？」

「ちっがーう！」

私の大声が旧校舎中に響き渡った。

関君ったら、私のことどんな子だと思ってるの？！

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