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「そうだよ。何のためにこの鍵渡したと思ってるの?これを機に、栞もちゃんと生身の男に向き合いなよ」
「そうだよね。帰ってくるかも分からない音信不通の幼馴染待っててもいいことないよ。今時、王子様は迎えになんてきてくれないから」
「王子様に憧れちゃうあたり、栞はまだまだお子様だよね。その証拠にこんなにちっちゃいし」
わざわざ私の頭に手を置いてちっちゃいって言った友達の手を払いのける。
ちっちゃくないってば!
お子様でもないしー!
「ほら、分かったならさっさと関君のところ行ってきなよ。お昼食べる時間なくなるよ」
「多目的教室行くんだよ!二人きりになりたいって言って」
「関君、栞にベタ惚れっぽかったしきっと喜ぶよ。ほら、レッツゴー」
面白がるように笑って手を振り、関君のところへ行くよう示す友達に、ちょっとした恨みがましさを感じる。
どうして、私が関君と二人になんて……。
しかも、ベタ惚れって勘違いにも程があるし。
あれは関君的には、私が何が変なことをしないか監視しているだけなんだよ。
その行動に甘い感情なんて一欠けらもないのだ。
本当のことを言い出せないまま、私は関君のいる教室に戻ることになった。
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