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「栞、今日わざわざコレをウチらに見せてくれるために持ってきたの?」
「そうだよ」
こんなに笑われるなら、こんな本学校に持ってくるんじゃなかったよ。
もっと慰めてくれることを期待してたのにー!
「まじかー。重かっただろうに」
「ちっちゃい栞には重労働だったでしょ。よく頑張ったね、えらいえらい」
「……っ、ぷぎゃー!やっぱり笑い抑えらんないわ!ははっ、おっかしー!」
労ってるつもりなのか、えらいえらいって頭を撫でられた。
私、そんなことで誤魔化されたりしないんだからねっ!
ていうか、隣で笑いすぎ!
呼吸困難になってるじゃんか。
「あ、まさか。今日一人屋上に来るの遅かったのって、わざわざコレ持って上がって来たせい?」
「あー、お弁当持ってくるにしては随分遅いなって話してたもんね。さっき」
「ははっ……ひゅー、ひー……。言ってくれれば非力でちっちゃい栞の代わりに、んふふっ……、うちらが持ってあげたのにっひっひっ」
笑いの治らない友達を尻目に、私はついさっきのことを思い出す。
いつもは一緒に屋上に向かうのに、この日は私が後から追いかけたのだ。
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