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「……と、いうことがあったんだよね」
屋上で、実際にお姉ちゃんからもらった二冊を広げて、お姉ちゃんとのやり取りを説明した。
私のこの何とも言えない気持ちを分かってほしいかったの!
昨日の昼。
いつも通り、仲良し4人組でお弁当を食べていた時のことだ。
「本当にえげつない内容しか書いてないね、こっちの本。すごい闇を感じるわ」
「こっちの黒いのは本当、見た目からは想像できない程中身ポップだね」
「すげー!栞のお姉ちゃん。クセ強いよね、ホント」
皆腹を抱えて笑っている。
完全に他人事だと思って楽しんでいた。
「もう!自分とは無関係だと思って、笑わないでよ!」
「ごめんごめん。でも栞のお姉ちゃんホント傑作だわ」
「あ、でも。一応このえげつない方に無害そうなのもあるんだね」
「どれどれ?相手の好意を得る地味なお呪い?それとも、嫌いな奴の頭にハトの糞を落とすお呪いのこと?」
お弁当を食べる手が進まないまま、笑い転げている三人を私は睨みつける。
睨んでても、全然効果がないみたいだったけど。
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