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昨日まで話すことすらしなかった私と関君。

なのに今日になってこんな状態になった関君を見て、彼女達は恋愛方面に結び付けて事態の辻褄を合わせたらしい。


実際、昨日彼からビックリな宣誓をされた。

だけど、別に私と関君は付き合いだしたというわけではない。


「俺が見ておかないと、危なくてしょうがないからな」


さも当然のようにした宣言は、どうも勘違いを助長させているようにしか私には聞こえないの。


「確かに、栞ちょっと抜けてるもんね。天然気味っていうかさ」

「ちっちゃいしね」

「俺が守らなきゃーって感じ?羨ましいわ、うちも誰か守ってよー」


ちっちゃい言うな!

ちょっと女子の平均身長よりも5cmくらい低いだけだもん。


「そうだな。俺が守らないといけないと思っている」


関君のその台詞で、友達はワーキャーと盛り上がりだした。


「そっかそっか、やっと栞にも春が来たんだね!」

「ずっと幼馴染の王子様しか目に入ってなかったのにね」

「うちも青春したいわー!どっかに落ちてないかなー?!」


きっと関君の守る対象は私じゃないんだよ?

発信する側と受け取る側で言葉の受け止め方が違うんだよ……?

と、私は言い出したくなったけれど。


それをして、関君にここでおかしな妄言を口にされる方が困るから私は口を噤んだ。


全ての始まりは昨日。

否、始まりのきっかけは、とある本のせいなのだ。


私はそのことに思いを馳せた。



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