なんだかおかしな状況に…
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「おい、俺以外の奴に目を向けるな。まったく。俺は君のことをずっと見てるというのに、油断も隙もないな」
教室のど真ん中。
小さく縮こまっている私は、笹本 栞(ささもと しおり)。
そんな私に今朝からずっとこんな調子で張り付きっぱなしの男子が一人。
その名も、関 敬一(せき けいいち)君。
眼鏡男子の見た目を裏切ることなく、勉強のできる彼はクラスでも上位の成績を修めている。
だからといって、別にスポーツができないわけでもないらしく、もやしのような感じでもない。
誠実で、真面目。
制服を着崩したりしないし、どちらかというと堅っ苦しいタイプだと思ってた。
高校一年の頃、チラチラ話は聞いていて。
二年生のクラスで同じになったけど、実際に話をしたのなんてほぼなかったし。
きっと関わり合うようなことはないんだろうと考えていた。
なのに。
「すごいね、関君!今日ずっと栞のことしか見てないじゃん」
「クールで冷めたタイプだと思ってたけどアツいんだね。意外と束縛激しい感じ?ヤンデレ?」
「見てないと心配、とかどんだけ過保護なの?!」
私の後ろから冷やかしてくるのは、高校生活で仲良しになった友達。
いつも一緒にかたまって過ごす人達。
しっかり者が二人と、ちょっとお調子者が一人、それと私の四人グループ。
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