3☆ 消滅
邪悪神連合軍は、惑星を侵略し、最終的には破壊する⋯魔神(邪神)の集団だ。何の前触れもなく突然襲ってくる、厄介な存在。
まさか、惑星ギリリッシアが標的にされるとは思っていなかった。
最初に我々は、お互いに話し合い、平和に解決しようとしたが⋯邪悪神連合軍は受け入れてくれなかった。
「私は⋯ギリリッシアの神ゼウスナーだ。我々に戦う意思はない。話し合いを要求する」
『話し合い?そんなものは必要ない!』
「何が目的で我が惑星を侵略するのだ?教えてくれ!」
『ヤダねったら♪ヤダね~♪』
「そちらの要求する条件を提示してくれ!できる限り対応しよう」
『要求に♪対応するって言うじゃな~い♪残念!邪悪神連合軍には撤退の意思はないですから~♪前進!前進!前進あるのみ!』
「⋯⋯撤退しないか⋯あとは⋯何かいい案は⋯?ギリリッシアの民は悪くない⋯民だけでも助けて欲しい⋯とにかく破壊しないで欲しい!」
『そんなの関係ない!はい!却下~!前進!前進!前進あるのみ!』
「ギリリッシアの食べ物を邪悪神連合軍に定期的に納めても良い。どうだ?」
『前進!前進⋯ぜん⋯⋯ギリリッシアの食べ物か⋯うまかったな⋯とくに野菜ピクルスが⋯オツマミに最高だった⋯酒もつけれるか?』
「ギリリッシア名物【ギリッ
『ま⋯幻の酒⋯ギリッ酒!!!』
『指揮官!お酒の誘惑に惑わされないでください。前進あるのみです!』
『⋯⋯はっ!そうだ!前進あるのみ!却下だ!!!』
受け入れてくれなくても⋯粘って粘って⋯何度も⋯何度も⋯話し合おうと歩み寄ったが、その度に拒否された。
結局、交渉は決裂し、お互いに臨戦態勢に⋯。そして⋯すぐに決戦が始まった⋯。
惑星を守るために我々は全勢力で戦った。始めは我々が優位だった。邪神は、神力は弱い。我々の方が力は強かった。
アポロンドが竪琴を奏で敵を惑わし、アルテミスティが弓で狩る。
アレスターが持ち前の武道や力で敵をなぎ倒し、その間アテナーシャが結界を一手に引き受け張り続けた。
ヘルメストは⋯戦いには向かないので、ヘラーダの炊き出しや避難中のお世話などのお手伝い⋯たまにアテナーシャの結界も手伝った⋯。
私の兄姉⋯二人の兄神とアフロディーティア⋯もギリリッシア四大柱神として⋯それぞれの属性の長として君臨している。神力はあるので、一緒に協力しながら戦った⋯⋯。その他の神力のある神達もそれぞれの属性の長に従い戦った。
ギリリッシアの民で腕力自慢の者や剣術自慢の者も我々神と一緒に戦ってくれた。
たが、敵の数が多く、侵略と破壊行為の勢いは止まらず⋯徐々に我々が追い詰められていった。
世の中【質より量】が上回る事も多々ある。どんなに力が強くても、【多勢に無勢】では敵わない。
そして、邪悪神連合軍の悪知恵指数 ∞(無限)を駆使した作戦は、我々の裏の裏の裏の裏の裏をかいて混乱させた。その他に⋯思いついた悪知恵やイタズラを次々と仕掛けてくるので、対策を練ろうにも予測できなかった。また、敵に捕まれば⋯殺さない程度の拷問、虐待、殺戮行為の繰り返し。
中途半端な行為が長く続くので、捕まった者はどんどん精神がすりきれていき⋯『いっそ⋯殺してくれ⋯』と懇願してしまう者も続出した。
『ひゃん🖤』
『もっと⋯刺激を⋯🖤』
⋯と、たまに⋯新しい扉を開き⋯目覚める
そして⋯こんな一幕も⋯
『♪我らは邪悪な連合軍!幸せは敵!ぶち壊せ!平和な
敵である邪悪神連合軍の歌が流れた。敵の軍隊は歌いながら進んで侵略行為を行なっていた。
私とアレスター、アポロンドは⋯雲の上から眺めていた⋯。
「⋯歌か~昨日泣き止まなかった子供がいて⋯母上が子守歌で寝かしつけてたな⋯」
「ギリリッシア子守歌か⋯ヘラが歌えば⋯百パーセント眠りに落ちるな⋯。おっ!ヘラの子守唄で敵を眠らせて捕獲は⋯ありだな!」
「父様⋯母様は、力が弱くて戦えません。戦場に連れて行くのは⋯。それに⋯敵だけでなく、味方も眠ってしまいます⋯」
「あっ⋯そうだな⋯アポロの言う通りだな⋯失言した⋯」
などと⋯くだらないことを言い⋯恥ずかしい思いをしてしまった事もあったな⋯。とにかく⋯
私は世界の守護神だが⋯全能神ではない⋯全ての者は救えない⋯。
仲間が戦いで散っていき、悔しい思いを抱えながら⋯戦った。民も神も残った者一丸となって⋯歯を食いしばりながら⋯戦った。
だが⋯惑星ギリリッシアは全宇宙の惑星の中では⋯とても小さな惑星だ。侵略もしやすかったようだ。あっという間に、全土を制圧された。
最終的には⋯我々は戦いに敗れ⋯邪悪神連合軍が勝利した。
とうとう⋯惑星ギリリッシアは破壊され、消滅してしまった⋯⋯。
ーーー
そして⋯気がつけば⋯流星に⋯。
私も⋯消えていった仲間のように⋯いつか力尽き消滅するのか⋯?と思いながら⋯どうすることもできず⋯ただ宇宙空間を流されるまま⋯身を委ねるしかなかった。
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