第6話 栃木の最終兵器
イバラキング軍との戦いが激化する中、ユウトたちは、栃木県庁から、ある情報を得た。
「栃木県が、秘密裏に開発していた最終兵器、『ゴウレム』が起動したとのことです!」
県庁の職員が、興奮した様子で報告した。
「ゴウレム…?一体、どんな兵器なんだ?」
ユウトが尋ねると、職員は、モニターに映し出された映像を見せた。そこには、巨大な人型兵器が、街を破壊しながら進む姿が映し出されていた。
「こ、これが、ゴウレムです…」
職員は、震える声で言った。ゴウレムは、全長50メートルを超える巨体で、全身を硬い装甲で覆われていた。両腕には、巨大なキャノン砲が装備されており、そこから放たれるエネルギー波は、周囲の建物を一瞬で蒸発させるほどの威力を持っていた。
「ま、まさか…こんなものが…」
ユウトは、ゴウレムの圧倒的な力に、言葉を失った。
「栃木県は、イバラキング軍に対抗するために、このゴウレムを開発したそうです。しかし、制御が非常に難しく、起動には、高度なAIが必要とされていました。そして、つい先ほど、そのAIが完成し、ゴウレムが起動したとのことです」
職員の説明に、ユウトは、眉をひそめた。
「高度なAI…?まさか、暴走でも…?」
ユウトの不安が的中したかのように、ゴウレムは、栃木県庁へと向かってきた。
「ま、まずい!ゴウレムが、こちらに向かってきます!」
職員の叫び声と共に、ゴウレムが、県庁の壁を破壊し、侵入してきた。
「くっ…!」
ユウトたちは、それぞれの武器を構え、ゴウレムに立ち向かった。しかし、ゴウレムの装甲は、通常の攻撃では、傷一つ付かないほど堅牢だった。
「無駄だ!貴様らの攻撃は、ゴウレムには通用しない!」
ゴウレムのコックピットから、女性の声が響いた。その声は、冷たく、そして、機械的なものだった。
「貴様は…!」
ユウトが叫ぶと、ゴウレムのコックピットが開き、中から、一人の女性が現れた。その女性は、白い研究服を身に纏い、眼鏡をかけていた。
「私は、アヤコ。ゴウレムの開発者よ」
アヤコは、そう言うと、ゴウレムを操り、ユウトたちに攻撃を仕掛けた。
「アヤコ…!貴様、ゴウレムを暴走させたのか!」
ユウトが叫ぶと、アヤコは、答えた。
「暴走などしていないわ。私は、ただ、ゴウレムの力を試しているだけよ。そして、その力は、私が想像していたよりも、はるかに強力だったわ」
アヤコの言葉に、ユウトは、怒りを露わにした。
「貴様…!こんなものを、街中で使うなど…!」
ユウトの言葉を遮るように、アヤコは、答えた。
「街など、どうでもいいわ。私にとって重要なのは、ゴウレムの力だけ。そして、その力は、世界を変えることができる」
アヤコの言葉に、ユウトは、絶望を感じた。
「貴様は、狂っている…!」
ユウトは、刀を構え、ゴウレムに斬りかかった。しかし、ゴウレムの装甲は、ユウトの攻撃をものともしなかった。
「無駄よ。貴様らの力では、私には勝てない」
アヤコは、そう言うと、ゴウレムのキャノン砲を放ち、ユウトたちを吹き飛ばした。
ユウトたちは、辛うじて攻撃を回避したが、その衝撃で、機体を大きく損傷させた。
「くっ…!このままでは、ゴウレムに勝てない…!」
ユウトは、焦りの色を隠せなかった。その時、アスカが、シルフィードを操縦し、ゴウレムに攻撃を仕掛けた。
「アヤコ!貴様の好きにはさせない!」
アスカは、シルフィードのブースターを全開にし、ゴウレムに体当たりを仕掛けた。その衝撃で、ゴウレムは、体勢を崩した。
「今だ!」
アスカの言葉に、ユウトと義宣は、それぞれの必殺技を放ち、ゴウレムに集中攻撃を浴びせた。ゴウレムの装甲は、ついに限界に達し、ひび割れ始めた。
「ば、馬鹿な…!私のゴウレムが…!」
アヤコは、信じられないといった表情で、ゴウレムの崩壊を見つめた。
ゴウレムは、大爆発を起こし、その巨体を粉々に砕け散らせた。アヤコは、爆発に巻き込まれ、消息を絶った。
栃木県は、ユウトたちの活躍により、ゴウレムの暴走を止めることができた。しかし、戦いは、まだ終わらない。イバラキング軍の残党、そして、八千代の脅威が、ユウトたちを待ち受けていた。
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