第2話 お化けは割と苦手です。
「いぃぃやぁぁぁァァァーーーーー!!!!」
色々とツッコミたい事が山ほどあったのに、全部吹き飛んでしまった。そう、僕は割と、そう、割と!お化けが割と!割と苦手!割と割と!
勘違いされたくないけど僕はお化けが超絶苦手とかめっちゃお化け怖いとか心霊スポットとか絶対寄り付きたく無いなんて事は無くって割と申し訳程度にお化けが苦手ってだけでありまして高速詠唱ぉ!
「んねねねねねねネクストさんんん!!!ここって危険!?危ない!?!?ねえ!!!僕生き残れる!???呪い殺されない!???お化けに取り憑かれないかなぁぁぁ!!!!?!?」
『近辺の危険性は極めて高いと推測可能です。
マスターの生存率は極めて低いと推測可能です。
マスターが呪術などの非科学的な影響を受けて殺害される危険性は存在すると思われます。
マスターが霊的干渉を受けて憑依される危険性は存在すると思われます。』
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁァァァーーー!!!!!」
あばばばばあばばば!!!無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!どっっっどどどどどどうすれば!!!!?!?!?あっそうだ、ネクストさんに聞けば何か良いアイデアくれるかも!?!!?
「んねっっっ、ネクストさんッッ!!!その根拠は!??僕が死ぬかもしれない理由はちゃんとあるの!!?その理由があるなら教えて欲しいのと、あとどうすれば僕は生き延びられそう!?!!?」
『はい、マスター。
マスターの生存率が極めて低いと推測可能な理由は、マスターの脆弱性にあります。
現在、マスターは虚弱な魔物種族であり、平たく言えば雑魚の魔物です。
マスターは雑魚の魔物ですので、様々な理由で命を落とす危険性があります。
マスターが生存率を高めるためには、現在よりも強力な個体となり、貧弱で矮小かつ雑魚な魔物から成長する必要がある事をここにお知らせします。』
「AIってこんなに毒舌だったっけ?!??」
あまりに雑魚雑魚連呼されたので、聞きたかった事は頭の中からすっかり霧散していた。
…あ、そうだ…成長するよう言われたのなら、どうすれば良いのかも聞いておかないと、と。
「ネクストさん、強くなるには僕は何をすれば良いのか、どうすればいいのか分かる?必要なものや足りないもの、何か用意や準備する必要があるかどうかも分かるなら教えて欲しい。」
AI頼りっぷりは異世界転生前からこうっていう。他の肝心な事はよく思い出せないのに、こういうしょーもない事は覚えていたりするもんなんだなぁ。
『マスターが強くなる方法をお教えしますね。
現在、マスターは具体的な種族についての詳細が確定していないため、魔物としてのレベルが最低のものに引き下げられている可能性があります。
種族を確定させる必要があると推測しますが、現在その方法は判明しておりません。
必要なものを揃えるのであれば、霊力感知の熟練度の上昇、つまり霊感を鍛えるのが得策だと判断します。
準備に必要なものは判断しかねますが、おそらくは霊体に干渉する方法、または霊体と交渉する手段、及び霊体を斥ける力が必要となるでしょう。』
「えーーーっと、それって簡潔に言うと…???」
『マスターは、霊媒師または聖職者のカテゴリに属する能力を獲得する事で、この森でも無事に生きられる事でしょう。』
「……え?」
……え???
「いぃぃいいぃやぁあーあーーあぁぁあ!!!!」
誰か助けてください。どうして魔物になったのに、僕は魔物らしからぬイメージのものばっかり、こうして立て続けにドバドバ来るんですかね…?
あと、やっぱりお化けは割と苦手です…
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魔物に なったら 魔物っぽくなかった 日本人
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某国、某日。悪霊巣喰う疑心暗鬼の森。
ずず、ずず。
引き摺る音。
浮かぶ白、それは白亜で、儚げで。
白外套、奇怪、怪奇、幻想、幻像。
包まれたるは、魂、不浄、未練、嫉妬。
或いは、取り残された者、宿無しの魂。
森は、魂を定着させる。
森は、肉体を器とする。
空っぽ、空っぽ。
弾き飛ばされて、空っぽ。
あなたの身体はどこですか?
私の身体はそこですか?
触れられぬ、触れてはならぬ。
触れたい、触れて、取り戻したい。
その身体と心は、本物ですか?
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・・・プロンプト更新
【所持スキル熟練度】
解錠技術:(0/100)%
幸運補正:(0/100)%
浄化魔法:(1/100)% +1%
遠視補正:(0/100)%
爆破魔法:(0/100)%
霊力感知:(1/100)% +1%
工作技術:(0/100)%
【種族特性】
自動体温調節、身軽、身体強靭、自然治癒、
環境適応、魔物臭、成長速度低下、機敏、
跳躍強化、走力強化、体力増加、魔物言語
+魂魄触媒
【前世特性】
文化的知識、人間言語
+霊障斥力
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