第50話

大きな岩場の前に来ると、馬が立ち止まり、踵をかえそうとする。


ディーン「どうした?」


サラは、ディーンの背中越しに、狼を見つけた。

サラ「あれ」と狼を指さして、「あの子達のせいよ」


ディーン「狼か」


サラ「長からの使者よ」


サラは馬から降りて、馬の首を触りながら、話しかけてみる。

「大丈夫よ。あの子達は、私達を襲ったりしないから。もう少し頑張れるかしら」


馬は、首を横にブルブルと振った。


サラ「そうね。やっぱり怖いわよね…」

 「ディーン、ここからは歩いて行きましょう。この子を無理やり連れて行くのは可哀想だから」


ディーン「そうだな。この辺りで待ってくれ」

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