第7話アパート

わたしのエロエロパワーは制御出来なかった。太郎のアパートに通うようになった。13年ぶりで復活してしまった。太郎はいつも最寄り駅に迎えに来てくれた。太郎が好き過ぎて周りが見えなくなった。でも、息子の事も大切にしている。


太郎は、とことん優しい。いつも話を聞いてくれてあまり自分の話をしない。でも、愛情は感じる。注いでくれる愛情は溢れすぎて怖い。13年間もう男なんていらないと思っていたのに、太郎はわたしの固く閉じた宝箱を特別な鍵で簡単に開けた。


仕事は、退屈だが、息子、太郎と遊ぶためにしていると割り切っている。職場の永山俊樹に太郎の話をしたが反応は薄かった。マッチングアプリ出会った男になんて興味なさげだった。俊樹は、元々、人に興味が無いらしい。しかし、結婚している。


「ふーん、永山さん由美さんを好きなんじゃないの?」


太郎に、ベッドの中で聞かれた。


「ないない、わたしに興味無いもん。」


「由美さんさ、自分自身が思ってるより魅力的だからな。」


と太郎が寂しげに呟いてキスしてきた。


何?何?太郎が嫉妬?嬉しすぎる。


「わたしは、ガードが固いから大丈夫!」


と言ってわたしは太郎にキスし返した。


事実、わたしはガードが固い息子の亮の事しか考えてこなかった。そんなわたしを変えたのは太郎。不思議な恋人だ。




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