第2話友人

わたしは、太郎とメールしている事を友人に話した。


「良いじゃん!会ってみなよ!」


喫茶店で昼下がりに話していた。


「でもな、恋のブランクが長過ぎて自信無いな。」


わたしは、怖いというより自分自身の空白の13年間が怖かった。元夫はモラハラちっくだった。仕事は出来たが細かくマザコンだった。いちいち自分の母はこうだったと言われてわたしは離婚を決めた。


「大丈夫だよ!由美、まだまだこれからだよ。」


友達、数人に相談したが、みんなに会ってみなとポジティブに言ってくれた。


しかし、太郎は神奈川県。わたしは東京に住んでいた。少し遠いと感じていた。色々、言い訳をしてわたしは太郎と会うのを先延ばしにしていた。それでも太郎は怒ったり電話番号を知っていても電話をして来なかった。その間にわたしは他の人ともマッチングアプリでメールを交わしていた。シングルファザーや年配、歳下もいた。みんな下心を隠さずに攻めて来た。しかし、太郎だけは下心も無理強いもして来なかった。


気が付くと太郎と三ヶ月間メールしたりしなかったりが続いた。わたしは、そろそろ会わなきゃ悪いと思い始めた。しかし、なかなか予定が合わなかった。太郎の存在が消えたり表れたりしていた。


写真の印象も悪くない。食品会社で働いている。わたしは、太郎と会う決意を固めた。


『太郎さん、日曜日会えますか?』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る