紳士的なマッチングアプリ

起き上がる

第1話工藤由美

わたし、幸せかも。彼と手を繋いで街中を歩いてると工藤由美は思った。


一年前ー。


わたしは、バツイチ、子ありの41歳。IT企業でアルバイトとして働いている。


最近、仕事でマッチングアプリの広告を作成している。ここ、13年間、男性との交際は無かった。夫と別れて13歳になる子供を育てているが、最近、息子が小学校を卒業した。リトルリーグで野球を始めた息子も中学生になる。親離れという言葉が寂しく感じた。そんな時にマッチングアプリを目にして思い切って始めてみた。


そのマッチングアプリは中年向けの再婚やバツイチなどもOKなアプリだった。子ありの再婚希望なしと登録した。何日か、アプリの存在を忘れていた。昼休みにアプリを開いて見ると10件ほどのいいねが押されていた。歳上、歳下からいいねが来ていた。一人だけ同い年の人がいた。何となく同い年の人にいいね返しした。


夜にメッセージが届いた。『はじめまして、太郎と言います。いいねありがとうございます。良かったらメール下さい。よろしくお願いします。』丁寧な挨拶に好感が覚えた。


『こちらこそメールありがとうございます。太郎さんは、バツイチで子ありの再婚希望なしで良いんですか?』と少し緊張しながら返信した。すぐにメールが来た。『構いません。俺も再婚は希望してないので。』と太郎から返信が来た。


何回か、メールを交わしてわたしと太郎はメールアドレスを交換した。


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