君へ、誰かより

笑って駆け抜ける夕焼けを

近付きすぎて、重なる想いの日々を

この胸の中に閉じ込めて


校庭から呼んだ教科書の名前

ふざけ合って制服が揺れた

窓の外から見えてるのは

二人が描いた未来線


不思議と声が零れる

授業中に書き付けた切り傷は

「君が、大好きだよ。」


笑って過ごす透明な日々を

同じ制服が虚しく影を落とす日も

この胸の奥の方に閉じ込めてしまう


二人が繋いだ夕焼けの橋

レールを敷いて遥か遠くの街まで

君とだけ過ごせる世界へ



ふと、見上げた天井には

幼い頃に描いた君があった

カラフルな線が示唆している

結ばれない二人の物語


暫くして、コール音だけで

君を想い出すようになった

最後に送ったメールの返事はいつかな

自販機の炭酸は教えてくれない


「電車に乗れたのは、君だけだったけど。」

「反対方向の道筋なら、一緒にいられた。」

「多分、君と違う僕だったのなら。」

「この嘘を誓えたのかな...。」


誰かが呼ぶ声がする

この電車がたどり着く駅は

君と同じじゃないと



笑って駆け抜けた夕焼けに

遠すぎて、重なる想いの日々を

この胸の中に永遠に閉じ込めて行く


泣き腫らして迎える朝を

もう、戻らない放課後の時間を

君との一瞬が僕をおかしくてたこと


遠ざかる透明な日々を

同じ制服が虚しく影を落とした帰り道も

この胸の奥に残る想いに、刻み付けていく


君へずっと...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る