余命線

「あ、ここから。君が繋ぐだろう。」

人生が始まる1分前の事

「あ、次の言葉は何かな。」

期待された絆の意図


みんな、みんな同じさ

思いつきのラブソングを歌っている


余命線で結ばれた、人間関係みたいに

「ありがとう、おやすみ。」

そんな、挨拶みたいな単語で

僕と君は愛を重ねる


狭い部屋で背中合わせても、

鼓動は伝わんないから

「ごめんね、さよなら」

きっと、友達未満の関係性で

いたいんだよね


「あ、立ち上がった事におめでとう。」

この祝福は誰の物なの?

「あ、明日からは独りで生きてくね。」

当たり前の事でしょう


みんな、みんな知ってたんだ

切り上げの丁度いい人生で


余命線で結んだ、普通の人みたいに

「キライだ、スキだよ」

そんな都合の良い言葉なんて

僕は言わないから


人生が過ぎる前に、愛を確かめよう

「半年?半日?」

時間ばかりを気にしすぎたから

本当に大事にしたかったものが

見つかんないんだよ


5分前の今日、一時間前の昨日

「気をつけてね、またね」

そんな野暮な言葉こそが

僕の余命を長くするから


君の余命も永くするから

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