第23話

死神の仕事ってのは、基本的に休みがねぇ。

だって、人間が死ぬのに休日とか関係ねぇからな。


けど――。


「今日はなんか暇じゃね?」

夜空を漂いながら、オレはふと呟いた。

隣で一緒に飛んでたミラージュも、「だよねぇ」って気の抜けた声を出す。

「悪霊も出てないし、生き霊もいねぇし、魂の回収も少ないし……なにこれ、平和すぎない?」

「なぁ、こんな日あるんだな」

「あるんだなぁ……」

オレとミラージュは、ふわふわ浮かびながらしみじみと空を見上げる。

冬の夜空は澄んでて、やたらと星が綺麗だった。

「なぁ、暇だしどっか寄ってかねミラージュ?」

「寄るって、どこに?」

「うーん……」

オレが考えていると、ミラージュがニヤッと笑って「いいこと思いついた」と指を鳴らした。

「この間、ダルク先輩が大福持ってたって言ってたじゃん?」

「うん、持ってたな」

「あれどこでもらったのか聞きに行こう!」

「......面白そうだな」

「でしょ?」

そうと決まれば行動は早い。

オレとミラージュは、すぐにダルク先輩の気配を探し、夜の街を飛んでいった。


――たまには、こういう日があってもいいよな

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