概要
イモリには触らないほうがいい。気を付けて。毒があるから気を付けて。毒が
近所に住む母方の叔母を、私はよく訪ねる。
母が作ったおかずを持って。
フィクションです。
母が作ったおかずを持って。
フィクションです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!姉妹と姪
これはものすごく姉妹と姪です。
漫画家の絵の才能を測るときによく描き分けが挙げられます。あの漫画は髪型が違うだけで顔は全部同じ。あの漫画家は無限にキャラクターを描くとか。
小説は漫画家のそれより難しいなと感じています。落ち着いて考えたら作者が分身して1人でずっと喋ってるわけで、また造形に落とし込むという工程がないから作者も読者も分別をつけづらい。
この話は血の繋がりを持った似たもの3人を書き分けています。似たような顔をした3人をまったく独立した個人として、それぞれの違い、共通項を5000字の日常の中で伝えています。
その現実的な質感のおかげで、どこかのお家の聞いてはいけない内側を覗き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!中年姉妹の微妙な心のバランスを捉えた好編
これはいい作品です。現代ドラマではなく、純文学です。
姉の娘を介して、一見仲の良さそうな姉妹の心の機微をうまく表現しています。
お互い長く生きてきた中で、口にすることはなかった、相手に対する優越感や嫌悪感というのもを、うまく隠してバランスをとっている様子がリアルに伝わってきます。
息苦しい作風なのですが、引き込まれて読んでしまいます。
この構成は男性作家ではちょっと無理かも、こういうセンスは参考したいなと、素直に思いました。
冒頭に出てくる妖精は後々全く絡みませんが、妖精があってもなくても、素晴らしい作品であることは間違いありません。