静かに締めくくられる余韻

美しい情景描写とリアリティのある心理描写。

日常の延長にあるはずの世界が、いつの間にか不気味な異界へと滑り込んでいく感覚。

パレットの上の絵の具のように、現実と非現実が混ざり合い、溶け合う。そうして書き上がったのは、美しくも妖しい世界。

はたして香った桐の花は現実か──

タイトルでも書いたように、静かに締めくくられる余韻が素晴らしかったです。

素敵なホラー作品でした。

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