交際が先か、性交渉が先か?

加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】

謎、あきらむ

 交際して性交渉それとも性交渉して交際……


 これは、大芸人ロバート秋山氏の哲学的問いかけまじめなギャグである。


 一見、「ん!? 何事か???」と疑問符が大量発生しそうな文言ではあるが、それは確かに、男女の色恋の核心に迫るものである。


 これは、実は生化学的に紐解けそう、なのである。


 しかも、興味深いことに、後者の「性交渉して交際」が、どうやら至極当然な現象であると、考えられるのである。


 交際──性交渉のメカニズムはこうだ。


 スキンシップ、ひいてはセックスなど、肌と肌の触れ合いにより、セロトニンが出る。


 セロトニンが精神を安定させ、エンパシー効果を上げる。


 エンパシーというのは、他人の感情や思考を理解し共感する重要な能力のことをいい、これが高まると、「この人にはどのように接するのが最良であるか」というような、他人に合わせた振る舞い、言動が感覚的に湧き出てくるのである。簡潔に言えば、コミュニケーション能力が向上するわけだ。

 

 肉欲により相互に触れ合い、共感性を最大限高めて、相手も同じようにそうなると、二人は素直な感情の解放とこの上ない安らぎ──カタルシス──に至る。


 同じ時間を共有しながら、セロトニンを出しまくる、つまり直接的表現をすれば、性交渉をしてエンパシー効果を高めて、ついには……


 交際に発展する。


 性交渉?


 交際?


 同じ「交わり」でも、果たしてどちらが先か。


 案外、性交渉が先、なのかもしれない。


 (どしどしアンチテーゼをお待ちしております。揚棄しましょう)

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