Yo!Say!

木曜日御膳

ホットなリミットがあるんです


「Yo! Say! 夏がっ!」

 胸を刺激するような広大な海のにある大きなステージ。生足魅惑の様子がおかしい妖精が、吹き荒れる風の中で踊りながら、高らかに歌いあげていた。

 彼が身に纏う黒い紐のような衣装は、出すとこ以外も出してしまいかねないほど。

「たわわになったら! 宝物ホンモノの! 恋はやれ!」

 爽快なサウンドを彼の後ろで奏でる楽器隊たちは、楽しそうに海しぶきを浴びていた。

 そして、そんな彼らを見ながら、頭を振り手を掲げ、暴れる無数の妖精や海洋生物たち。


 ここは、大西洋たいせいようの真ん中にある秘密の音楽ステージ。今日は妖精たち主催のバンドフェスが開催されていた。


「フィ~! 聴いてくれてサンキュー! 改めまして、俺たちは妖精バンド『Yo!Say!』です!」

 最後まで歌い終わると、先ほどの様子のおかしい黒紐妖精が、客席に向かって話しかけ始める。


「自己紹介します! 俺はイケメンボーカルの陽星ようせい! そして、ギターの陽晨ようしぇん! ベースの요새인ヨセイン! ドラムのヨーセフ!」


 音楽隊は名前を呼ばれたと共に、各々が自分の楽器を格好よく鳴らす。客席のファン達は、心からの大きな歓声が上がる。


「皆さんの余生よーせいまで、一緒に歩もうって気持ちでバンドやってます! そして、次で最後の曲になります!」

「「ええ~!」」

「もう、皆そういうの、よせよせ~! 今日こそは時間制限を絶対に守るよう要請ようせいされてるんだよ~!」

 ボーカルの上手い言葉に、客達は思わず笑う。


「最後の俺たちのコールアンドレスポンスしてから、始めようか! いくぜ! Yo!」

「「Say!」」

「Yo!」

「「Say!」

「Yo~」

「「Say~」」

「Yo! Yo! Yo!」

「「Say! Say! Say!」」

「Yo! Say! Yo!」

「「Say! Yo! Say!」」

「Yo! Say! Yo! Yo! Yo! Say! Say! Yo!」

「「Say! Yo! Say! Say! Say! Yo! Yo! Say!」」


 見事な一糸乱れぬコールアンドレスポンス。言い切った後、会場から感嘆の声と拍手が巻き起こった。


「おおおおお、すげー! もっといくぞ!」

 ボーカルは嬉しそうに、どんどんと勢いを加速していく。

 そして、今日も時間制限ぶち破り、スタッフに大層怒られるハメになるのだった。


 

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Yo!Say! 木曜日御膳 @narehatedeath888

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