第31話 ママを説得
私はママから先に相談する事にした。
だけど、幾らママでも男と暮らしたいなんていったら反対するよね。
本当にどうしようかなぁ~
だけど麗美ちゃんはクリアしたんだから私も頑張らないとまずいよね?
このままじゃ負けちゃうもん。
だから、勇気を出してママに言う事にしたの。
廊下を歩いているママを掴めて思い切って話しかけた。
「ママ、私も剣ちゃんと一緒に暮らしたい!」
「そう、頑張りな! てっ、本当にグズだね! 行動が既に遅いんだよ。あんたも私の娘なら麗美ちゃんに負けるんじゃないよ! とっとと行動しなよ!」
ママはあっさりと許してくれた。
こんな事なら、もっと早く相談すれば良かったよ。
「ママ……」
何故か、ママは呆れた顔をしている。
「あのね、亜美! 黒木くんは超一流の男だとママは思うの? 恐らく麗美ちゃんだけじゃないわ! あの子には沢山の子を引き付ける魅力があるわ!」
「うん! 剣ちゃんは本当に凄いよ!」
「それだけじゃないわ。自分で大きなお金を稼げる力もあるし、器量だって抜群。そんな男性相手なのよ? 遠慮なんてしていたら確実に負けちゃうわよ!」
確かにそう言われたら……そうだよね。
うん、そうだ。
「本当にそうだよね! 私が甘かったよ」
そう、恋愛と友情は別物。
ママが前から言っていた。
すぐに行動に移した麗美ちゃんはズルいんじゃなくて……うん、正しい。
「それが解ったなら、まだ挽回は効くわ。だけど、今からじゃ相当頑張らないと勝てないわよ!」
ママの言う通りだ。
「うん!」
「それで一緒に暮らしてからどうするの?」
「どうするって? なに?」
ママが口を押えて呆れた……そんな顔をした。
「どうするって? じゃ無いわ……ハァ~良く言えば良い娘、悪く言えば奥手すぎるわ。まぁ良いわ、亜美貴方は黒木くんが好きで誰にも負けたく無いのよね?」
「うん、絶対に剣ちゃんを盗られたくない!」
「なら、そうね、出来るだけ早く肉体関係に持ち込んで、さっさと妊娠しちゃいなさい! そうしたら私が上手く話をつけてあげるから」
「ママ、流石にそれは早いと思う! 私まだ誰ともキスもしてないんだから」
「甘いわ! 本当に甘い! 銀座臘月堂のクリームあんこシロップどら焼きより甘い! そんなんじゃ麗美ちゃんに負けちゃうよ?」
「嘘、負けちゃうの?」
「本当に呆れたわ! 当たり前じゃない! 男を手に入れたと言えるのは『結婚』して半分、そこから後も監視してないと、良い男には沢山の女がたかって来るのよ! あそこまでの優良物件相当頑張らないととられちゃうわよ」
「だけど、亜美にはそう言うのは、まだ早すぎると思う!」
「はぁ~貴方馬鹿なの? 寧ろ遅すぎるわ! いい、もし麗美ちゃんがそういう関係になったら亜美の敗北が確定するのよ? 麗美ちゃんはそんなチャンスが来たら、絶対に逃さないと思う! きっと行きつく所まで絶対に行くわ。 そうなったら貴方の負けが決まるの」
「だったら、肉体関係だけでも良いんじゃないかな?」
「本当にあんたは馬鹿ね! 麗美ちゃんは亜美がそこ迄いったら諦めると思う? 恐らく貴方の後からでも肉体関係になって先に妊娠して『子供がいるんです……この子の為にも引いて下さい』そう言うに決まっているわよ……麗美ちゃんを甘く見ちゃ駄目よ!」
私は馬鹿だったのかも知れない。
さっき何を経験したんだっけ。
麗美ちゃんは既に同棲していて『そういう関係』に何時なっても可笑しくな状態なんだ。
私が躊躇していたら、麗美ちゃんに剣ちゃんが盗られちゃう。
「そうね、いける所まで行かないと勝った事にならない……そう言う事だよね?」
「そうよ!貴方はそれじゃなくても、2人に比べて胸も小さければ、背も低いんだからね! 相当頑張らないとね」
『まぁ、特殊な男の子には需要があるけど……どう考えても不利だわ』
「うん……きゃぁ! ママいきなり何をするの!」
いきなりスカートをママが捲り上げた。
「そうね、まずは、この熊さん柄のパンツは止めて、こういうスケスケの赤い下着の方が良いわね」
嘘、こんなエッチな下着を身につけないといけないの?
これじゃ痴女みたいじゃない?
「ママっ! そんなの履かないと駄目なの?」
「駄目よ!ブラもこっちにして『亜美……剣お兄ちゃん大好き』って下着姿か裸で抱き着くのよ! そんな感じで迫るしかないわ」
だけど、これ余りに酷く無いかなぁ。
「だけど、ママ、そのパンツスケスケで丸見えじゃない。しかも後ろなんて紐だし、ブラだって変な所に穴があいているし……本当に、それ着てそんな事言わないと駄目なのかな?」
「だって、亜美は麗美ちゃんみたいにスタイルが良く無いし、小太刀ちゃんみたいな大きな胸も無いんだから、妹みたいに可愛い子で行くしか無いわよ! 普段から下着を見せる様にして、ギャップから狙うしか無いの! まぁ黒木くんが、そっちのけがあるなら、熊さんパンツでせまって『亜美の初めて貰って下さい』とかでも良いわね...そういう気ありそう?」
「多分、無いと思う、亡くなったお姉さんが好きそうだし」
「あちゃぁーーっ!年上好きなんだ。難しいな……亜美不味いわよ」
「あの、剣ちゃんは後輩だから、亜美の方がお姉さんだよ!」
「そうですか? まぁ頑張ってね」
『見方によっては小学生に見えるのに……お姉さんね』
「うん」
「パパには私から言って置くから、まぁ頑張りな!」
「勿論頑張るよ」
『こりゃ大変だわ。『年上好み』が相手じゃ亜美には多分、無理だね。麗美ちゃんの多分独壇場じゃないかな?』
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