ねむの、はじめて♡
いまりんがえっちの練習を始めてから三日が経った。
今ねむのスマホには、いまりんのあられもない姿を映した動画が四つも入っている。
初日に撮った分と、いまりんに送ってもらった分が。
フォームの見直しっていう言い訳をちゃんと信じてくれてる証拠だ。
イケない関係になった背徳感で、興奮しちゃう。
そしてきょうは、その関係をもっとねっとりさせる日だ。
どきどきしてきた。
いまりんのお家のインターホンを押すと、すぐにいまりんが出迎えてくれる。
「やっほ~いまりん!」
「いまりんって呼ばないでって言ったでしょ。はやく入って」
相変わらずいまりん呼びは許されないまま、家にお邪魔する。
部屋に入ると、テーブルに麦茶が用意してあった。
「それ、飲んでいいよ」
「……うん」
まさか毒とか盛られて……いやさすがにないか。
そんなことするくらいならもう襲ってきてるはず。
飲んでみたら普通の麦茶だった。
だよね~。
「で、次はどんな練習をすればいいの?」
「次はね……ねむの体を使って、本番の予行練習をしてもらうよ」
「えっ……」
いまりんがはっと驚いて目を見開く。
まあ、驚くよね。
ねむもこんなところで処女を失ってもいいのかっていう葛藤はあったけど、いずれどこかで捨てないといけないものだから。
いまりんの信用を買うためなら、ここで捨ててもいいかなって。
もちろん、いまりんがどう思うかはさておき。
「ま、チカのと違ってねむのは触りたくないだろうから、手袋使ってもいいよ。あと、よかったらシャワー貸してくれるとうれしーんだけど」
「……お前、頭おかしいんじゃないの!? なんでそこまでする必要があるの!? それに……彼女いるんでしょ!?」
お前に言われたくねえよ!
って叫びそうになったけど、それをぐっとこらえる。
「そこまでしないと、安全じゃないからだよ。本番はなにが起こるかわかんないし……ねむたちだって、最初は別の子たちから教えてもらったから、彼女にはいいって言ってもらってるよ」
「で、でも……わたし一回お前を殺そうとしたのに……!」
あ、あれガチで殺そうとしてたんだ。
こっわ。
まあ、仲良しでもないのにこんなことしないもんね。
そりゃためらうか。
ねむはいまりんの両肩に手を置いて、じっと目を見つめて言う。
「そりゃ、最初はいまりんに追いかけられてびっくりしたけどさ……ねむ、いまりんの気持ち、よーくわかるんだよね」
「ずっとひとりぼっちだった時に、誰かが側に来てくれたことの嬉しい気持ちがさ……ねむの彼女も、ぼっちだったねむを救ってくれたから」
「……っ!」
「それを奪われそう、って思ったら、殺したくもなるよね」
「……うん!」
うん、じゃねーよ!
なんですぐ殺そうとかテロリストみたいな発想になるんだよ!
寝取ってやろう! ならまだわかるけど!
でもいまりんとねむの境遇が似てるのは事実だ。
ねむだって玲奈に救われた。
違うのは寝取られたか監禁しようとして逃げられたかの違いだけだ。
……言ってて悲しくなってきた。
「わたしとあんたって、似た者同士だったんだね」
「かもね」
一緒にすんな! って言いたいけどちゃんと共感してくれたっぽいからいいや!
「だから、こうやっていまりんに色々教えてあげようって思ったの」
「……わかった。じゃあ遠慮なく、練習させてもらうね」
そう言っていまりんは、ねむの手を取った。
「それじゃあ、いっしょにお風呂入ろっか」
「え……?」
*
*
*
湯舟に浸かりながら、いまりんの小ぶりなおっぱいを見つめる。
かわいい形しやがって……。
にしても体細いな~。
ねむも人のこと言えないけど。
まさか一緒にお風呂入ることになるなんて思わなかった。
しかもわざわざ沸かしてくれたし。
でもするんならここが一番いいか。
どんだけ汚しちゃっても流せばいいもんね。
「…………」
無言でシャワーを浴び続けるいまりん。
「あれ? もしかしていまりん緊張してる?」
「そ、そんなんじゃないし……」
はじめてアレをやったときみたいに、ぷいっと顔をそらす。
なんか……妹ができたみたい。
ねむは湯舟から上がって、いまりんの顔を覗き込む。
「えー? じゃあなんで顔そらしちゃうのさ~!」
「う、うるさいっ!」
「あっそうだ、暇だし体洗ったげる」
「別にいい」
「遠慮しなくていいの。ねむお姉ちゃんにまかせて!」
「あんたの妹になった覚えとかないんだけど? ってちょっと!?」
ボディソープを出して泡立ててから、無理矢理いまりんの体に塗りたくる。
肌がきめ細かい。すぐに傷付いちゃいそうだ。
「あーもう! 勝手にして!」
いまりんは諦めて大人しくされるがままになった。
素直でいいねぇ。
前も後ろも洗ってあげて、シャワーで泡を流しているといまりんがぽつりと言った。
「……ねえ」
「なに? ねむお姉ちゃんになんでも言ってごらん?」
「……やっぱなんでもない」
「えー? 気になるじゃん」
いまりんは俯いて黙ってしまう。
そういうの、こっちは意地でも聞きたくなるんだよね~。
「……妹がいたら、こんな感じなのかなって思っただけ」
「は? ねむがお姉ちゃんなんですけど?」
こいつ、聞き捨てならないことを言いやがった。
「いや身長からしてあんたが妹でしょ」
「精神的にはねむがお姉ちゃんですぅ~!」
「精神的にもわたしの方が上だし……!」
「いやいやないないない! ねむの方が人生経験あるもん!」
こいつ……!
ぐぎぎぎぎっと睨み合ったあと、つかみ合いになる。
くっ……こいつやっぱ力強い!
ねむはお風呂の床に押し倒されてしまった。
いまりんが覆いかぶさって、じっと見つめ合う体制になる。
「あっ……ごめん」
「……しよっか」
「えっ」
ねむの一言に、いまりんが硬直する。
「今、そういう体制だから。あと、あんま緊張してないときの方がいいでしょ」
「いやでも……まあいっか」
ちょっとためらいつつも、いまりんはねむのつぼみにそっと触れる。
思っていたより、嫌な感じはしない。
ぞわぞわしたなんともいえない感覚はあるけど。
気持ちいいともちょっと違うんだよね。
前戯も教えとくんだったな……。
「ねえ、ちょっといい?」
「なに?」
いまりんをぎゅっと抱きしめると、びくっと体が震えた。
ちょっとびっくりさせちゃったか。
「……アレはね、お互いの気持ちが大切なんだよ。今は練習だからこれくらいにしておくけど、本番はお互いにいちゃいちゃしてからしようね」
「……うん」
体に着ているものがないから、地肌のすべすべした感覚が直接伝わってくる。
とくんとくんと、心臓の音が聞こえてくる気がする。
表面を撫でられ続けて……つぼみに少しずつ熱がこもっていく。
「いまりん、挿れていいよ」
「わかった」
ずるりと、指が入ってくる。
少しだけ痛みと、違和感を感じた。
それでも、意外と平常心を保てている。
人に体を許すってこんなもんか。
いまりんはぎこちなく指を動かしていく。
「こ、こんな感じ?」
「んー、もうちょっと奥かな」
「こ、こう?」
「んっ! そ、そうそう!」
ねむの気持ちいいところを当てられて、声が出てしまう。
それを聞いたいまりんは、ニヤニヤと笑った。
「ここが、いいんだ」
「や、やめてっ……んんっ……! ちょ、ちょっと!?」
「やーだ。やめてあげない」
にちゅにちゅと、つぼみが泡を立てる。
ねむの体って、こんなんだったっけ……?
さっきまでと、ぜんぜん違う……!
だんだんと、ねむの意識が昇っていく。
「やっ……んんっ……あんっ!」
「手じゃま。ほら、もうちょっとだよ」
「いま、りんの……くしぇにぃ……っ!」
「ねむがざこすぎるんでしょ。ほら、イッちゃえ」
「んくぅ――――っ!」
つぼみにこもった熱が、快感といっしょにぱぁっとはじけた。
指が引き抜かれるのと同時に、体から別のなにかがいっしょに抜けていく感じがした。
いまりんをキッっと睨むと、にっこり笑って。
「ざーこ」
そんなことを言いやがった。
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