えっちの練習するだけだから……ね?
「よし。それじゃあ早速やろ。問題はどこでするかなんだけど……」
「わたしの家でいいよ」
「え?」
というわけで、いまりんのお家にご招待された。
家にまで上げてくれるなんて……どんだけ気になってるんだ!?
「へー。いまりんの部屋ってこんな感じなんだ。かわい~」
「ありがとう。でもいまりんって呼ぶな」
ピンクのかわいい空間の中で、ギロッと睨み付けられる。
いまりん呼びは許してくれないんだ……。
ベッドとか棚にぬいぐるみがいっぱいいる。
ちゃんと並べてるし好きなんだろうな。
「そんじゃ、さっそくはじめよっか。まず服脱いで」
「はぁ? いきなり何言ってんの?」
いまりんは眉をひそめた。
「アレは裸になんないとできないよ?」
「お前に裸見せたくない」
「なんでよ」
「いやなんでって……」
あーそっか。
ふつーは裸見られんの恥ずかしいんだった。
ねむはお風呂とか着替えでめっちゃママに見られるから慣れてるんだよね。
「愛を深めたいんじゃなかったの? それに、裸くらい温泉で見るじゃん」
「そうだけど……」
「いいから脱げ」
「きゃーっ! やめて! 自分で脱ぐから!」
服をはぎ取ろうとしたら、いまりんは慌ててブラウスのボタンを外し始めた。
この感じだときょうやるのは厳しそうだな。
もうちょっと段階を踏んだ方がいいかも。
最初はオナニー教えとくか。
「脱いだよ。このあとどうすればいいの?」
「じゃあ、まず汚れてもいい場所に座って」
「え……? 汚れていい場所とかないんだけど……?」
「なら掃除しやすいとこで」
「本当に今から何するの……?」
いまりんは困惑しつつもカーペットの上に体育座りする。
変態教師にでもなった気分だ。
「で、足開いて。それから――」
「え、ちょっと」
一通り雑に仕方を教えると、いまりんは「汚くない?」という感想をこぼした。
オナニーを人に教える経験なんて、ない。
ていうかあるわけねーだろ。
前例がなさ過ぎてシンプルな疑問にも答えられない。
とりあえず適当なこと言っとくか。
「自分のだったらそう思うよね。でも、チカのだったらどう思う?」
「へ、へいきかも……」
いまりんはなぜか嬉しそうな顔をする。
なんでやねん。
「でしょ? 恋人っていうのは、お互いどこまで許せるかが大切なんだよね。だから、お互いに汚しあうのは……」
「愛の証明になる、ってこと!?」
「そう!」
よし、納得したな。
素直ちゃあ素直なんだよな、こいつ。
「今からするのは、その予行練習だよ。本番は相手のに触るけど、いきなりは危ないからまずは自分のってわけ。自分のなら、やりすぎちゃうこともないからいい練習になるの。じゃ、やってみて」
「……そんな見られてたらさすがに……恥ずかしいんだけど」
「本番はチカが目の前にいるんだよ? それに、いくら練習っていっても失敗したら入院しちゃうかもしれないから、ひとりにさせらんないよ」
「そっか……じゃあしょうがないのね……うう」
いいね~!
あんなにヤバかった女が目の前で恥ずかしいとこ全部さらけ出してやがる!
ほんとにこんなことしちゃっていいのかにゃ~?
でも知らないんだもんね! しょうがないよね!
誰かが、教えてあげなきゃいけないんだもん!
むしろねむってちょ~親切ぅ!
もちろん、ねむがいまりんの姿を見ておかずにしようってわけじゃないよ。
性感帯を把握するのと、ちゃんとできてるか教えてあげないといけないから傍にいてあげてるだけ。
……どっちみちろくでもない目的な気がするけど、まあいいや。
いまりんがおそるおそる指を入れようとしている様子を、スマホのカメラに収める。
「なんで撮るの!?」
「ちゃんとできてるかあとで確認したいからだよ。野球選手だって、自分のフォーム撮って後から確認してるでしょ?」
「そ、そっか……」
今ので納得しちゃうんだ……。
無知ってこえー。
それともいまりんがチョロいだけ?
まあどっちにしてもありがたい。
これで、またストーカーされてもこの動画を交渉材料に使える……!
いまりんはぬるりと指を入れて、ぎこちなく出し入れする。
「こ、こう……?」
「そうそう。で、ちょっとずついじるとこ変えながら……いまりんが気持ちいいって思うとこを探してみて」
「うん……気持ちいいっていうか……なんか、ヘンな感じがするんだけど」
「最初はそんなもんだよ」
人のを生で見るのはじめてだな。
なんていうか……すげえ背徳感。
「んっ……」
いまりんの喉から、声が漏れる。
「見つけたね。そこがいまりんの気持ちよくなれるとこだよ。そこをもっとかわいがってあげて♡」
「……うん」
だんだんと、擦るペースが速くなっていく。
ちゅくちゅくと、愛液が分泌される。
いまりんの息が、少しずつ荒くなって、上気した顔になる。
あーあ。
もう、戻れないね♡
「んっ……あっ……ふっ! ねぇ……なんか……きちゃう……!」
「いいんだよ。そのちょーし」
はじめての感覚に戸惑ういまりんを、ねむは優しく抱きしめて、なでなでしてあげる。
「もうちょっとだから、ね? がんばれ♡ がんばれ♡」
「ねぇ……なんっ! なのこれぇ! きもち、いい……!」
「でしょ。さぁ、いちばんきもちいいの、きちゃうよ。ほら、イッちゃえ」
「んうっ――!」
いまりんから愛液の芽がぴゅっと伸びた。
くたっと体の力が抜けて、カーペットの上にとろける。
「よくできました♡」
「あっ……はっ……」
指に絡みついた愛液を、いまりんはぼーぜんと見つめる。
それをふき取ってあげて、いまりんの頭に枕を置く。
「しばらく休んでね。疲れたでしょ」
よしよしとまた頭をなでてあげると、いまりんは声を途切れさせながら聞いてきた。
「さっきの、なに……?」
「あ、嫌だった? 落ち着くかなって思ったんだけど」
「……べつに、いいけどさ」
「ならよかった」
そう言っていまりんはぷいと顔をそらした。
やっぱり、あーいうのが好きなんだ。
チカにされたことを、そのままいまりんにもしてあげただけなのに。
「これを、3日ぐらい続けてね。そしたら次のステップに入るから」
「……うん」
いまりんは腕で顔を隠してから、こくりと頷いた。
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