第43話

印南くんの伏し目がちな双眼がカメラを意識したり、しなかったり。視線の落とし方や向け方が綺麗だと思った。


いつの間にか横に移動してきていた和泉くんが印南くんの姿を見つつ、ぽつりと呟く。



「浅葱さん、印南くんすごいね〜」



どんな感想を聞けるのかと思いきや、そんな間延びした、ゆるくのんびりとしている感想が彼の口から飛び出てきて、なんだかちょっと笑いそうになった。



うーん、それにしても服と自分の魅せ方も上手いな、印南くんって。



いままで、あまり間近で撮影を見る機会が無かったので、感動する箇所が多くて表現に関する情報過多になりつつあるが、私はそんななかでもついつい想像してしまう。

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