不意を突くと不機嫌になります

第25話

ーーあれから、お互いに授業に出るのはちょっと気まずいということになり、和泉くんが保健室に行ったことにした。



少しだけ先生に怒られたが、和泉くんの頭痛が酷くて保健室に連れて行った、と話せばなんとか納得してもらえた。

なんか無理あるような、と思っていたが上手くいったのでよしとする。


和泉くんは二時限目の終わりくらいに来る予定だ。



そして、事情をみんなの前で話したので、怪しまれることはなかった。これも上手くいった。



けれど。




「……で、本当はどうなの、実際」


「………えーとですね、それは」


「話さないと和泉にあんたの幼少期の写真見せる」


「…………」



それはやめていただきたい。


折木は私の家に来た際、私の小さい頃の写真をスマホで撮影し、いざという時に使うため、保存している。……まさか、ここで来るとは。この効果は一回と決めたので次はない。





ーー全て表面上は上手くいった。


けれど、連れて行かれた時を目の前で見ていた折木の目は、誤魔化せなかった。

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